|
|
|
2005/2/16 |
砂と霧の家 |
HOUSE OF SAND FOG |
時間の流れは静かに坦々と過ぎて行く。知らず知らずのうちに辿りついた場所からは、もう後戻り出来
ないという事に気付いていく登場人物たち。見ているほうも最初はホームドラマを見ているつもりが、だ
んだん落ち着かない気持ちになりハラハラし、そのうち極上のサスペンスだという事に気付く。
この映画にはドラッグ、訴訟問題、人種問題、離婚などアメリカの抱える問題すべてがあり、そして、
それはいつか日本の抱える問題にもなりうるのだと思わされる…ここに登場するべラーニ元大佐、キャシー、
共にプライドが高すぎる余り妥協する事がなかなかできず、結果的に自分の内側へと思いを爆発させてし
まうという悲しい結末です。
海辺の家、家族とのやさしい時間そして恋人との幸せな時間。これらの描写がますますこの物語を悲し
いものにしていく。解決する方法はなかったのか、なんとかこの人たちを助ける方法はなかったのかと、
そんな気持ちを残す映画でした。
2003年 ヴァディム・パールマン監督
|
Amazon.co.jpはこちら
←このページのトップへ
←トップページに戻る
2005/5/26 |
白いカラス |
THE HUMAN STAIN |
邦題のつけ方に配給会社のセンスを感じます。いろいろな意味が含まれているのでしょうが、このタイ
トルがある事によって、観ながら思考を巡らす事ができました。
自分が仕掛けた罠に自分自身が、かかってしまう。多少ニュアンスは違うかもしれませんが、そんな話
でした。遺伝子学的にこういう事があり得るのかどうかが疑問ですが、私もコールマン・シルク(アンソニー・ホプキンス)と同じ道を選ぶかもしれない。ただ、自分のルーツを隠せば隠すほど、自分は日本人
である事を思い知らされるのだとは思います。そして、外泊しない、させない女性フォーニア・ファーリ
ー(ニコール・キッドマン)。二人とも自分の犯した罪に追い詰められている。許しを乞うべき人たちは
、既にこの世にはいない。二人の恋愛は、心に同じ傷を持つ者同士だから年齢差は関係なかったのだと思
う。人間の心の内側へと向いている、こういう話には、破滅を感じずにはいられません。周囲の言葉を拒
み、どんどん世界が狭まっていくので、それが唯一抜け出せる方法になってしまうのでしょうか。”砂と
霧の家”を思い出した作品でした。
名優と言われる俳優たちを贅沢に起用していて、すごい作品だと思います。こんなさりげない映画の作
り方…。とにかく”すごい”の一言につきます。
2003年 ロバート・ベントン監督
|
Amazon.co.jpはこちら
←このページのトップへ
←トップページに戻る
サックス吹きとしては、気になる映画でした。劇場では観られなかったけれど、観なければと思って
いました。
高校生にとって、管楽器は高額な代物です。現実はそこらへんで断念と言う事になるのでしょうが、
なんとかボロボロの楽器を手に入れる。そして、その楽器にキルティングの布でカバーをつける。女の
子らしくて、それ以外ではぞんざいに扱われている楽器への愛情を感じる場面でした。とにかくみんな
で楽しく合わせればよい音がでるんだよ。音楽を楽しもう!という気持ちが伝わってきました。それは、
映画を撮るためにいっしょうけんめい練習に励んだ出演者の方々の胸の内に、実際に生まれた気持ちな
のではないでしょうか。そういう意味では、ドキュメンタリー的な要素もある作品だと思いました。欲
を言えば、女子高生たちのコメディのテンポや間のとり方が今一歩だったかなと…。今回、熟練?の共
演者達から吸収できていればいいなと、将来に期待を寄せます。
これにてビッグバンドがブームになってくれればと切に願う私ですが、なぜか簡単にはなってくれな
い。忍耐と根気そして体力が必要ですね。
2004年 矢口史靖監督
|
Amazon.co.jpはこちら
←このページのトップへ
←トップページに戻る
いっとき、集中して中国映画を観ていた時期がありました。電気も水道も整備されていない砂漠の町
や標高の高い山あいの町。それぞれの場所で一生懸命暮らす人々の姿が、印象に残っています。
ションヤン(タオ・ホン)の屋台は重慶にあります。やり手な女主人というイメージなのですが、実
は家族の絆を大事にする古風な考えの持ち主だと思います。家族の環境が彼女を男にしているような気
がします。残念ながら父を始めとして、兄も弟も頼りにならない。いろんな家族の問題が降り懸かって
も決してめげない。というか、めげているんだろうけど彼女には外面を保つ力ある。そんな姿に”家”
への思いの強さを感じます。自分の家族を持てなかったという事が、ションヤンをそうさせているのか
もしれません。ところで、重慶の街の構造がおもしろい。尾道みたいに階段が多く、川の向こう岸に行
くのにケーブルカーを使う。橋を架けられないくらい川が深いか、急流か、地図で調べてみると、重慶
は三峡ダムの更に奥地にありました。街はどんどん変化し、去って行く人がいたとしても、ションヤン
だけは相変わらずのような気がしたラストでした。
”鴨の首”は食べた事がありませんが、”鶏の首”はやきとり屋で食べた事があります。美味です。
一羽から一個しかとれないので、注文してもない日もあります。
2003年 フォ・ジェンチイ監督
|
Amazon.co.jpはこちら
←このページのトップへ
←トップページに戻る
target="new"
2005/7/8 |
16歳の合衆国 |
THE UNITED STATES OF LELAND |
犯罪に絡む映画を観ていると、まるで事件の目撃者になったような気持ちになってしまう。
リーランド(ライアン・ゴズリング)のように不安を抱えてしまう性格は、よく理解できる。よくマイ
ナス思考と言われる考え方ではないだろうか。思春期という時期がそうさせているのかもしれないが、周
りの人のマイナス面にいっしょに浸かってしまうことが多い。できれば事件が起きる前にパール(ドン・チードル)に出会って話す事ができていればと思った。話すことで消化されていたかもしれない。父親の
アルバート(ケヴィン・スペイシー)とリーランドの距離は離れ過ぎているように思えた。これは決して
特別な話ではなく、普通の家庭で育った子供が犯してしまった事件の話ではないでしょうか。辛い話です。
15,6歳の自分はというと、遠い昔なのでなかなか思い出せないのですが、大人になってみれば、た
いした事ではない出来事をいつまでも悩んでいたかもしれない。
2002年 マシュー・ライアン・ホーグ監督
|
Amazon.co.jpはこちら
←このページのトップへ
←トップページに戻る
27年、こんなに長い間に渡って関わりを持つ映画は、当然の事ながら他にはありません。スター・ウォーズには特別な想いがあります。いよいよ完結、少しさびしいような気もします。
一言、満足でした。悪の親玉をみつけるまで、戦争は終わらない。ん?現実にもこんな状況
あるぞと連想させられたような気がします。ルーカスはスター・ウォーズという作品に、上
手い具合に現代社会をのせているのではないでしょうか。でも、そんなこむずかしい考えは
忘れて、映画の世界に没頭する事ができました。今回はR2D2(ケニー・ベイカー)が本当に
かわいいと思いました。と同時に、この悲しい家族の歴史を知るただ一人(台?)のロボッ
トだったんだと…。アナキン(ヘイデン・クリステンセン)とオビ=ワン(ユアン・マクレガー)、そして、パドメ(ナタリー・ポートマン)、この3人の関係が悲しすぎて、涙なし
には観る事ができませんでした。なぜダース・ベイダーになってしまったか、アナキンには
親の愛がもっと必要だったと、私はそう思いました。
日本映画の影響を大きく受けたというルーカス。戦闘のシーンや衣装などにその影響が見
てとれると思う。中でもパドメの衣装と髪型には、毎回、目をみはるものがあります。
2005年 ジョージ・ルーカス監督
|
Amazon.co.jpはこちら
←このページのトップへ
←トップページに戻る
2005/9/25 |
至福のとき |
HAPPY TIME |
手持ちのDVDからです。初めて観た時からどれくらい経っているでしょうか。結構、細かい所を
忘れている事に驚きました。
良い人がたくさん出てきて、おもしろおかしく、切ない話です。泣くまいと思っていても、
うるっときてしまう…。ウー・イン(ドン・ジエ)の健気さ、賢さ、そして、かわいらしさに
気持ちを奪われてしまいます。チャオ(チャオ・ベンシャン)とその失業仲間?とでも言うのだろうか。
そのみんなでマッサージ室を作るところは、完全にコントです。役者のひとつひとつの動きに、
笑いを誘われてしまう。そして、みんなの温かさに触れる事で、生きていく自信をつけていく
ように見えるウー・イン。目は見えなくとも、それ以上に、いろんなものが見えているんだなと、
18歳だけど、とても痩せてて未熟な感じがする。でも、最期に一人で街を歩いている時の顔は、
どこか凛々しかった。
中国の女性は、みんなかわいい。そして、手足が長い。なんでこんなにひょろっとしてるんだろう。うらやましい…。
2002年 チャン・イーモウ監督
|
Amazon.co.jpはこちら
←このページのトップへ
←トップページに戻る
公開最終週、木曜日のレイトショーとあって人もまばら、おかげでじっくりと観る事ができました。
アメリカ大恐慌の後というとても厳しい時代の話ですが、現在では失われつつあるものをたくさん
見せられたような気がしました。ジム・ブラドッグ(ラッセル・クロウ)というボクサーの家族に
対する愛と責任の強さ、苦しい生活の中でも捨てずにいた夢。妻メイ(レネー・ゼルウィガー)の夫を信じ、
送りだす強い心。父親を誇りに思う子供達。「つらいだろうけど、君の支えなしには勝てない」こんな言葉は、
言いたくとも口に出せる男は数えるほどでしょう(と思う)。そして、つい拳を握ってしまうほど臨場感あふれる
試合のシーンでは、矢吹ジョーと力石徹の試合を思い出してしまったアニメ世代?の私です。
ラッセル・クロウは、すばらしい。ロン・ハワードもすばらしい。”ダ・ヴィンチ・コード”も期待できるかな
2005年 ロン・ハワード監督
|
Amazon.co.jpはこちら
←このページのトップへ
←トップページに戻る
実在した女スパイの話だという事を観終わった後に知りました。”ボーン・アイデンティティ”
みたいなのかなぁと期待したのですが…
アクションシーンはそんなになかった。実話ともなるとこんなもんかなと思った。実際、派手な
動きをしたらスパイにとっては命取りですよね。危険な割には地味な仕事であまり生産的では
なさそう。だからこそリザ(モニカ・ベルッチ)の辞めたいという気持ちも解るような気がする。
スパイであっても、会社員であっても、女としての生き方を考えるのは同じだけど、普通辞めても
命は狙われない。実生活でもパートナーであるヴァンサン・カッセルが手助けをする同僚ジョルジュ
役をやっていますが、この夫婦は共演が多いですね。気持ちとしては、これからっていう時に
唐突にラストを迎えてしまうといった終わり方です。”スパイ”という言葉に期待しすぎたかな。
やっぱりスパイ映画については、フィクションがいいと思いました。とことんあり得ない事を
見せて欲しい、そんな気がします。
2004年 フレデリック・シェンデルフェール監督
|
Amazon.co.jpはこちら
←このページのトップへ
←トップページに戻る
久々に観たサスペンス。ちょっと自分の中で期待し過ぎてしまったかなと思っています。
ちょっと詰めの甘さを感じる作品です。追い詰められる役はキム・ベイシンガーはまり役だと
思うし緊張感もあるのだが、たまたま電話が繋がった青年ライアン(クリス・エヴァンス)が
あんなに必死になるものかと…。疑問ばかり浮かんでしまうシーンが多々ありました。起きている事件は
ともすれば実際にありそうで、そんな事があったら怖いとも思うのだが、この客観的な感情は
何なのだろう。やはりどうもライアンの存在が引っかかってくる。次に起きる出来事を分かっていての
行動にしか見えなかった。一般人なのにアクションがすごくて強すぎるのもいただけなかった。
ただ冒頭、観ている人にパンチを食らわせそのドキドキ感を最後まで持続させる編集の上手さを
感じた。
サスペンスだからこれでいいのかもしれませんが、登場人物のキャラクターをもう少し前面に
出して欲しかった。
2004年 デヴィッド・R・エリス監督
|
Amazon.co.jpはこちら
←このページのトップへ
←トップページに戻る
ショーン・ペン、ニコール・キッドマン。美男美女の共演ですね。この作品は劇場で
観たかったかな。
実際に国連本部でロケしたと聞きました。やはり本物が一番。アフリカと言えば民族などの
紛争が絶えないイメージがあります。アメリカやイギリスなどで起きているテロもそうですが、
復讐は何も生み出さないと言う事を強く感じました。それはシルヴィア(ニコール・キッドマン)
の場合にもケラー(ショーン・ペン)の場合にも当てはまり、似たような立場に置かれた二人だからこそ
ケラーがシルヴィアを説得する事が出来たのだと思います。そして、そのシーンのショーン・ペンの
迫力がすごい!かっこ良すぎる!それ以上先には進まない進めない男女の関係もいい感じに
余韻を残してくれたと思う。
ここ最近いろんな役に挑戦している感があるニコール・キッドマン。美しいニコールがキッと
した表情をするとすごい迫力です。
2005年 シドニー・ポラック監督
|
Amazon.co.jpはこちら
←このページのトップへ
←トップページに戻る
ヒラリー・スワンクが出演していると思って観たのですが、彼女じゃなくてもよかったんじゃない?
というのが正直な気持ちです。
自分に地質学や物理学の知識がないという事も理由としてあるのかもしれないが「本当にそうなの?」
という気持ちを消す事ができないまま最後まで観ていました。地球の中からっていうのは確かに新しい
発想だと思う。話題性を得ようとしすぎている感じがしました。NASAが天才ハッカーを起用する事に
ついても疑問。辻褄の合わない部分を自分の中で消化できない内に話がどんどん先へ進み、結果的に
集中する事ができなかった。地球の磁場がなくなるっていう事自体はとても恐ろしいと思うし、こういう
地球崩壊のしかたもあるんだなぁという事を知る事ができたのは良かったと思います。多くを
求めてはいけない作品なのかもしれない…けど、突っ込みどころ満載の作品です。
”アルマゲドン”と似てるって、観た事ある人はみんなそう思うでしょう。「お願いだから兵器で地球を破壊するのだけはやめてよ」
と世界の偉い人たちに言いたい。
2003年 ジョン・アミエル監督
|
Amazon.co.jpはこちら
←このページのトップへ
←トップページに戻る
もしかしたら観なかったかもしれない作品だった。CMの力ってすごいなと思うけど、そのおかげでかなり
勘違いしていた部分がありました。
もっとホラー色の強い作品と思いきや8:2ぐらいの割合でサスペンスの要素の方が強いと思いました。
一時も目が離せませんよ。”ソウ2”も公開され、CMもチラッと観たので本作が解決を見ない
作品だとは覚悟していたのですが、それにしても私の頭の中は疑問でいっぱいです。あの人も
怪しいこの人も怪しいと…でも自分の推理が当たっていたらうれしいなと推理小説オタクっぽく
なっています。見せる部分が少なくて上手い作り方だと思いました。映画を観る人の心理を巧みに
計算して作られた作品だという印象を受けました。どんなジャンルの映画でも期待を裏切らない
作品は結局いい映画なのだと思います。ジグソウの正体は誰なのか…気になりますよねぇ。
パトリシア・コーンウェルの”検死官シリーズ”が好きで新作が出る度に読んでいますが、いつも
映像化するのは難しいだろうなぁと思っています。もしかしたらこの監督だったら…。
2004年 ジェームズ・ワン監督
|
Amazon.co.jpはこちら
←このページのトップへ
←トップページに戻る
社会のしくみは大部分男が作り上げてきたものだと思う。フェミニズムという訳ではないが、
もう少し肩の力を抜いて女の意見も取り入れるべきだと思います。
軍隊に入隊する女性の気持ちというのはなかなか理解しがたいが、企業で認められたいと思う気持ちと
大差はないのかもしれない。エリザベス(レスリー・ステファンソン)の場合は将軍、すなわち
父親に認められたかったのだろう。女性士官をスキャンダラスに描いたサスペンスと思っていたが、捜査官の
ブレナー(ジョン・トラヴォルタ)、サラ(マデリーン・ストー)と共に事件を追っていくうちに
違うものが見えてきた。事件は世間体を気にする男達が作り上げてしまったように思える。軍隊という
隠れ蓑の中に押し込もうとすればするほど収集がつかなくなる感じだ。辛く重ーい男の世界が
のしかかってくる映画でした。
脇の俳優が良かった。もちろんトラヴォルタも…。原作がベストセラー作品という事でそちらも
読んでみたい気がする。
1999年 サイモン・ウェスト監督
|
Amazon.co.jpはこちら
←このページのトップへ
←トップページに戻る
かなり話題の作品らしくなかなか借りる事ができなかった。なんでもアメリカの後追い状態
となっている日本人にとっても身近な問題なのでは…。
モーガン・スパーロック監督の勇気を讃えます。食の実験というのは当然の事ながら自分の健康
に関わってくる問題なので、なかなかここまで出来ないと思う。日本でも市場に出回る食品は
政治によって決められています。その選択の理由が必ずしも消費者の意見と一致するとは限らないという
事ですね。あって欲しくはない事実ですが、企業と政治家の関わりが優先されている。このドキュメント
を観る限り、アメリカは特にその傾向にあると思われます。企業の為の政治家といってもいいぐらいでしょう。
誰しもが口に入れるものに対して無頓着になってはいけない。そういう事でしょうか。日本は
和食文化を大切にしていけば大丈夫だと思います。何はともあれ一つの結果を得られた事が、監督に
とっては何よりだったのではないでしょうか。
ドキュメントを観るのは”ボウリング・フォー・コロンバイン”以来です。どちらも何かを
訴える姿勢で作っているので、どうしても偏り気味になっている。ちょっと引き算しながら観るべきかも…。
2004年 モーガン・スパーロック監督
|
Amazon.co.jpはこちら
←このページのトップへ
←トップページに戻る
デンマーク映画を観たからといってその国を理解できるとは思わないが、イスラムの風刺画問題
のイメージが最近の印象だったデンマーク。それにプラスの印象が加わったと思う。
多種多様の悩みや問題を抱えている男女6人の恋愛。一人一人の問題が日本の場合とほぼ同じ
ところをみると、生活形態が日本と近いのかもしれない。年齢の設定はたぶん私と同じぐらい
だと思うのだが、この年代が一番難しい年頃なのかも。でも本当に恋愛を必要としているのも
またこの年代なのかもしれない。心に潤いを必要としている。かといって挫折の経験もあったりするので
、妙に慎重にならざるを得ない。年齢を重ねて謙虚になった大人たちが自分の気持ちを確認し、
相手の気持ちも確かめようとする姿は妙に愛おしさを感じさせる。そして、ほんの少し不注意
に発した言葉が相手を傷つけ誤解を招いてしまったり…と、大人の恋愛ってなんだか優しい。
ラストのみんなの幸せそうな笑顔が忘れられない。
日本でも最近”大人のための〜講座”というのをよく目にする。斯く言う私も数年前、ビッグ
バンドに所属していたのですが、恋愛は謙虚だけど趣味では引かない大人を目の当たりにしました。
2000年 ロネ・シェルフィグ監督
|
Amazon.co.jpはこちら
←このページのトップへ
←トップページに戻る
target="new"
辞書で調べたら民事訴訟ということです。そういえばだいぶ前、ジョギング中に聴いていた
ウォークマンが足に落ちてメーカーを訴えたという記事を読んだ事があります。訴訟の国アメリカ
という印象です。
ボストン近郊で起きた集団訴訟を扱ったノンフィクションという事です。全編に渡って一番の
見所はジョン・シュリクマン(ジョン・トラヴォルタ)とジェローム・フェイチャー(ロバート・デュバル)、この弁護士二人の
戦いでしょう。特にフェイチャーが次の手段へと動き出そうとする時はとても怖い。シュリクマン
じゃなくても「しまったぁ」と思ってしまう。フェイチャーは深い洞察力で次の作戦をしかけ、
まるで相手が失敗するのを待っているかのようだ。シュリクマンは自分が思う全てを手に入れようと
する。それに対してフェイチャーは今手に出来るものだけを確実にモノにしていく。訴訟の結果が
どうなるかというよりも二人の弁護士の生きざまを見る作品だと思った。
日本ではメーカー相手よりも国を相手取った訴訟が多い気がする。特に原爆症やアスベストによる肺気腫は
認定の方法などでいまだに争っていたように記憶している。
1999年 スティーブン・ザイリアン監督
|
Amazon.co.jpはこちら
←このページのトップへ
←トップページに戻る
欧州の生活スタイルはとても興味深い。自然体で羨ましい…が日本人としてはそれ故にイラつく
事もある。ただあんな風に生活してみたいなぁとも思う。
ドイツ人、イタリア人、イギリス人、デンマーク人、ベルギー人、スペイン人そしてフランス人
のバルセロナでの共同生活。果たしてアジアの国々でもこんな風に一緒に暮らせるだろうか。
イギリス人のウェンディ(ケリー・ライリー)が秩序を守ろうとするのが、まるで日本人を見ている
ようで興味深かった。島国の人ってそんな傾向があるのかな?10年以上も前になるがバルセロナに
ちょこっと行った事がある。カタルーニャ語で講義する場面を見て、その時のガイドの説明を
思い出した。バルセロナの人は独立心が強い。この映画を観て「やっぱり」と思ってしまった。
結局、1年間の共同生活はグザヴィエ(ロマン・デュリス)の人生に大きな影響を与える事になる。
それも納得です。ありきたりの言葉ですが二度と戻れない青春時代です。
旅行に行ったとき、グエル公園は改装中でモザイクのベンチは残念ながら柵越しにしか見る事が
できませんでした。また行きたくなる不思議な魅力のある国です。
2002年 セドリック・クラピッシュ監督
|
Amazon.co.jpはこちら
←このページのトップへ
←トップページに戻る
シリーズ物で”U”の出来が良かったのは”ターミネーター”と”スパイダーマン”そして
”スターウォーズ”です。その中でも”スターウォーズ”は別格ですが…。
そもそも犯罪者に何かを期待すべきではないと思うのだが、1作目の出来が良すぎたせいか期待
してしまったんですね。ジグソウ(トビン・ベル)に…。同情していたのかもしれない。1作目
より見えている部分が多かった。ジグソウがどんな人物なのか、どんな人間とゲームをしたいのか。
やはり罪を犯す人間はかなり自己中心的な考えの持ち主だ。そんなジグソウに腹が立った。人間像を
美化し過ぎたかな(反省)。でも、それ以上に腹が立ったのがエリック(ドニー・ウォールバーグ)
だ。なんて自分勝手な人間なんだろう。途中、アマンダ(ショウニー・スミス)が注射器
の中に落ちる場面を見て、なぜか”サスペリア”の針金の場面を思い出してしまった。観客を
恐怖へ落とし入れる腕は逸品です。
もう観るのをやめようと思いつつ忘れた頃に観てしまうのがホラー映画ですね。夏を迎える
これからがシーズンです。
2005年 ダーレン・リン・バウズマン監督
|
Amazon.co.jpはこちら
←このページのトップへ
←トップページに戻る
ヒュー・ジャックマンってクリント・イーストウッドを横に伸ばしたような顔です。更に関係ないけど
アンジェリーナ・ジョリー、シャーリーズ・セロン、アシュレイ・ジャッドの3人も似ている。
ハッカーが絡む話なので専門用語らしき言い回しがたくさん出てくる。分からなくても支障ないのだと
思いますが、その言葉について考えている内に何度か置いてきぼりにされてしまった。ガブリエル
(ジョン・トラヴォルタ)は悪い奴なのだろうけど、もしかしたら良い人なのかなぁと思わせる。
よぉく目を凝らして見ていないと分からなくなる。という感じで適度に目隠しされている映画です。
また編集のし方が更に煙を巻く感じになっている。欲を言えば観終わった後の爽快感が欲しかった。
犯罪映画に爽快も無いと思うのだが、そういう終わり方にしているつもりが中途半端になっている
感じがします。そして、何よりもジンジャー(ハル・ベリー)のスタイルに目を奪われっぱなし。
胸もお尻も作り物みたいに完璧です。殺伐とした作品に華を添えていると思う。
モサドって聞いた事あるなぁと思って、ずっと考えていました。今年観た”ミュンヘン”でしたね。
2001年 ドミニク・セナ監督
|
Amazon.co.jpはこちら
←このページのトップへ
←トップページに戻る
おすすめの一品 |
ペラーワイナリーアイスワイン3本セット |
|
|