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"FINDING NEVERLAND"という原題通り、劇作家のジェームズ・マシュー・バリが「ピーターパン」を書
き上げるまでの話です。
恥ずかしながら何の知識もないままに見た映画です。何せ「ピーターパン」はディズニーのアニメが
元々だと思っていたぐらいですから…全てが事実に基づいた話ではなく、創作の部分もあるようですが、
とても美しく悲しい物語でした。バリ役のジョニー・デップとシルヴィア役のケイト・ウィンスレットのいつもより抑えた演技、かわいらしく時には大人びた一面を見せてくれた子供たち、脇をしっかり固める
ベテラン俳優たち、そしてそれら全てのバランスを大切に丁寧に作り上げた監督に拍手を送りたい気持ち
です。
ちなみにピーターパン役を女性が演じるのは、1904年の初演以来の事だそうです。
2004年 マーク・フォースター監督
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冒険、探検、秘密基地など子供はもちろんのことながら、大人も大好きな人は多いのではないでしょう
か。そんな心からもこの類いの映画は見逃せません。さっそく見てきました。
人間的にバランスがとれ過ぎていて、いま一つ、歴史学者のベン・ゲイツ(ニコラス・ケイジ)に感情
移入できませんでした。天才ならではのドジな所や世間知らずな所がもう少しあっても良かったのではな
いかと思いました。でも今回の役所は飽くまでも大いに頼れる人だったようです。そういった意味ではラ
イリー・プール(ジャスティン・バーサ)の三枚目的な所の方が、親しみを憶えました。ライリーは今回
、スパイス的な役割を上手く果たしていたのではないでしょうか。途中、もう少しサスペンス的な要素も
加わるのかな?と思ったりしましたが、そこまではいかずある意味とても正当なラストだったと思います
。
今回、アメリカの歴史に携わる場所や資料がたくさん出てきましたが、思っている以上に知らなかった
。ワシントンD.C.、ニューヨーク、そして”シックス・センス”でもそう思ったフィラデルフィアに行っ
てみたいものです。(願)
2004年 ジョン・タートルトーブ監督
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2005/7/05 |
二重誘拐 |
THE CLEARING |
予告編で裏切られる事がありますが、タイトルで裏切られる事があるとは思ってもいませんでした。
そんな事が…。
緊迫したものを想像していました。人間の想像ってほんとに自分勝手で単純ですよね。”二重誘拐”
と聞いただけで、すごいカラクリがあるんだろうなぁというところまで考えてしまいます。この映画
は、誘拐事件そのものの事ではなく、誘拐する者とされる者、そして巻き込まれる家族の心理状態を
描いた作品。誘拐犯アーノルド・マック役を演じるウィレム・デフォーの気の弱そうな表情がとても
印象的です。誘拐犯というには、あまりにも心許ない。そして、ウェイン・ヘイズ役のロバート・レッドフォード。最初は人質として怯えた表情を見せていたのに、だんだん変わって行くのが見物。時
には、犯人を見下しているようにも見受けられた。この二人の様子は、まるでそれぞれの人生を反映
しているかのようでした。
ロバート・レッドフォード、67歳。クリント・イーストウッドもそうですが、好きなことに没頭
している人は、みんな長生きで元気!ですね。
2004年 ピーター・ジャン・ブルージ監督
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最近、新聞記事の捏造がよくあります。よくあってはいけない事だと思うのですが、作る側
になると鈍感になっていくのでしょうか。
こんなに簡単に記事が捏造されるものだろうかという疑問を持ちつつ観たが、25歳の
スティーヴン・グラス(ヘイデン・クリステンセン)は次々と大胆にやってのける。25歳と
いえばたくさんの野望をいだいているものの、世間には軽くあしらわれたりしながらほどほどに
挫折感を味わい…といったところだと思う。スティーヴンのように負けを知らない人間が大きな
プレッシャーを感じた時に追い詰められた末の行動なのかもしれない。新しい編集長チャック
(ピーター・サースガード)とスティーヴンの問答のシーンはまるで二人芝居を観ているかの
ような緊張感があった。ヘイデン・クリステンセンは、未成熟な青年を演じさせるとピカいち
ですね。
製作側にまわる事が多くなったトム・クルーズ。この作品といい”エリザベスタウン”と
いい若手育成に力を入れているのかな?
2003年 ビリー・レイ監督
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2006/1/21 |
28日後… |
28DAYS LATER… |
怖そうでなかなか観る気になれませんでしたが、とうとうその日が来たという感じ。意外にも
ホラーの怖さはありませんでした。
将来、人間が絶滅するとすればウィルスによってだと思う。だからこの映画はとても身近に
感じられた。そして人間の愚かさに腹が立った。特に動物愛護団体がとった行動から感染が始まる
という設定にぞっとしました。捕鯨の問題もそうだけど全ての国の事を一つのテーブルの上で解決
しようとする行為はかなり無理があると思う。私の場合そんな事を考えながらどんどん未来に
希望を託せなくなるのだが、ジム(キリアン・マーフィー)は違う。どんな状況でも希望を捨てずに
いられる人だ。閉鎖された社会の中で怖いのは感染者だけではなかった。どんなに少人数でも
権力の争いは起きてしまうんですね。ラストで外の世界に助けを求める言葉が”HELP”や”SOS”
ではなかったのが良かった。デジタル・ビデオで撮影したという事でロンドンの荒廃したした
様子が上手く表現されていたと思う。登場人物一人一人の心理状態に現実味があって怖かった。
特典映像として、もう一つのラストシーンが付いていた。もう一つの方はちょっといただけなかったな。
2002年 ダニー・ボイル監督
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2006/5/14 |
南極日誌 |
ANTARCTIC JOURNAL |
予告編でのソン・ガンホの演技に惹かれて観てしまった。”観てしまった”そんな風に思った
作品でした。
閉ざされた世界の中で人間はどうなっていくのか。そんな事をテーマにしているのかもしれないが
、ドヒョン隊長(ソン・ガンホ)の行動があまりにも不可解すぎて、どう解釈していいのか分からなかった。
解釈を観客に委ねすぎていないだろうか。結局は何だったのだろう。過去の日誌との関連性も
あるといえばあるのだろうが、占いの言葉がだいたいの人に当てはまる書き方をされているように
この映画も拡大解釈させている印象を受ける。隊長は探検に出る前から平常心ではなかったという
事だろうか。ユ・ジテ、カン・へジョンとそれぞれの役者の演技がいいだけに作品全体に対しては
少し残念な気がする。狂気の世界がどこまでなのか区別がつかなかった。区別のつかなさを観客に
追体験させる目的もあったのだろうか。ラストシーンを観るとますます理解できないまま終わってしまう。
韓国の作品は、映像の作り方の基礎がしっかりしているせいか、どの映画もそれなりの作品の
雰囲気をかもし出している気がする。中学で映画の授業があると聞いた事があるがそのせいかな。
2005年 イム・ピルソン監督
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2006/6/3 |
ナイロビの蜂 |
THE CONSTANT GARDENER |
”地の果てで、やっと君に帰る”観終わった後、このコピーが心に響きます。アフリカって
どの国から見ても地の果てという気がします。
未知なる世界の恐怖と美しさ。広大な景色が心に焼き付きます。アフリカでのロケにこだわったという
事ですが、アフリカの大地が見事にこの物語を引き立てている。ガーデニングが趣味のジャスティン
(レイフ・ファインズ)が赴任地のアフリカで造るイングリッシュガーデンが印象的でした。彼は
外交官として、どの国でも同じ生活スタイルを保つ人間なのだと思った。妻のテッサ(レイチェル・ワイズ)
はそんなジャスティンに安らぎを感じていた。テッサが一番必要としていた存在。そして、最後まで
守ろうとした存在である。妻が果たせなかった仕事を追いかけ、少しずつ変わっていくジャスティン。
テッサの面影に話しかけるジャスティンの姿が忘れられない。妻への愛の深さが伝わってきました。
音楽も良かった。
アフリカの現実というものを考えさせられた。今まさに偽善ぶった先進国の餌食になりつつあるのかもしれない。
2005年 フェルナンド・メイレレス監督
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アルゼンチン映画は始めてかもしれない。アルゼンチン本国で大ヒットを記録したと言うことです。
主人公ジュアン(ガストン・ポールス)の気持ちになって観てしまうと思います。どこか放っとけない
感じで危なっかしい。詐欺師としてはまだまだ甘いねと言いたくなるでしょう。それにしても詐欺の
手口ってすごいなと感心してしまいます。大仕掛けのモノからすっごくけちなモノまで。詐欺師も
タレントみたいなもので元来の素質が備わっていないと無理なのかもしれない。極端な例だが
言葉に訛りがあったり太ったりしている人は、どちらかと言えば良い人に見えそれだけで心を
許してしまう私です。それは既にその風貌に騙されているとも言えるだろう。ジュリアンと一日
だけのコンビを組むベテラン詐欺師マルコス(リカルド・ダリン)は顔に詐欺師と書いてあるような
詐欺師だ。だからこそ手口もどんどんけちになっていくのだと思った。騙された事を気付かせずに
騙すのが醍醐味なのかな。
ジェフリー・アーチャーの”百万ドルをとり返せ!”という小説を思い出した。こちらもすっきりした
終わり方だったような気がします。
2000年 ファビアン・ビエリンスキー監督
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劇場未公開作品です。私は結構好きですが、興行収入のことを考えたりすると未公開って事になっちゃうのかな…。
お天気キャスター、デイヴ(ニコラス・ケイジ)のだめっぷりが見物です。ニコラス・ケイジってこういう役がはまり役だと思う。
有名な作家である父親(マイケル・ケイン)をプレッシャーに感じ、コンプレックスを持っているくせに妻(ギル・ベローズ)には
傲慢だったりする。いやいやコンプレックスを持っているからこそ妻には強く出ちゃうんだろうなぁ。もっと素直になればいいのに…
。と、女の立場からは思う。そして、夫婦の溝は埋めるにはもう手遅れな事に気付いていない。駄目なところばかりと思っていたが、
娘と息子に対する態度には感心する。とてもいい父親ぶりで、彼の気持ちはきっと子供たちには伝わっているだろうと思った。
コメディタッチな部分もあるが、男の本音がシリアスに描かれている作品。男性は常にいろんなプレッシャーと戦っているのだろう。
それが例え些細な事であったとしても…。
”天使のくれた時間”や”マッチスティック・メン”のニコラス・ケイジが好きな私には、この作品もお気に入りの一つに入る
事間違いなしです。
2005年 ゴア・ヴァービンスキー監督
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ロシア映画を観るのは初めてだと思う。あまり日本ではお目にかかれないのではと思うのですが…どうなんでしょう?
”光”対”闇”の戦い。ナイトウォッチは光側の監視人で、それに対する闇側の監視人デイウォッチもいる。話しの進み方が
とてもスピーディでゆったり考えながら観ていると置いてきぼりにされてしまう。映像が凄い事になっているので、見とれていると、
またしても置いてきぼりを食らってしまう事になる。この内容を115分に収め、説明用の台詞も少なく(耐えられる範囲内)
全てを伝えられている事が驚きです。アントン(コンスタンチン・ハベンスキー)の身の上に起きる出来事に同情してしまいます。
孤独がいっそう際立つ。イゴール(ディマ・マルティノフ)と共にこの戦いの行方を決める重要人物である。原作がベストセラー
だそうだが、宗教的観点から成り立っている物語という気がします。私はこういう作品が結構好きです。続きも観たいけど、公開
される日は来るのでしょうか。
内容は”スターウォーズ”みたいな感じ。それにしても、かなり斬新な映像です。ミュージックビデオのようにも思えた作品です。
2004年 ティムール・ベクマンベトフ監督
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生気のないジム・キャリーが出ているというだけで観たくなる。サスペンスというのも十分な要素かも。ちなみに私の前の
席に座っていた年輩の男性は、三分の一ぐらいのところで出て行きました。イメージとズレがあったのかな?
”23”という数字の謎を解くオカルトっぽい話しかと思いきや、実はウォルター・スパロウ(ジム・キャリー)という
男の内面的な話しで、少し肩透かしをくらった気分。突っ込みどころ満載の作品だと思うが、追い込まれていくウォルター・スパロウ
は見物です。妻のアガサ(ヴァージニア・マドセン)がまた微妙な表情で敵なのか味方なのか惑わされてしまう。二人の
緊張感漂う演技だけでも99分持つ気がする。こういう形の映画は、その表情やしぐさに集中できるので、その俳優を好きな
人にとってはうれしかったりする。あまり深く考えずに映画の雰囲気に浸ってみる事がベストだと思います。ドキドキや
ハラハラを楽しむ映画と言えるかもしれません。
年末年始はさすがに忙しい!映画を観てからアップするまでだいぶ時間が開いてしまいました。思っていたよりジム・キャリー
の表情がくどかった気がする。
2007年 ジョエル・シューマカー監督
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久々にハリウッド映画はもういいかなぁなんて思った。観終わった後に、このシリーズは前回も失敗?したと思った事を
思い出した。学習してないなぁ。
こういう映画を好んでみていた時期もあり、決して嫌いではないのですが…。なんだか使い古された感じの見せ方が多くて、
ちょっと飽きてしまいました。そして、ウィルキンソン(エド・ハリス)という登場人物の扱い方が最後まで納得できず、
憤慨しております。ベン・ゲイツ(ニコラス・ケイジ)についても自分の家名だけ守る事ができればそれでいいのかぁと
ツッコミを入れたいところです。展開のしかたは、いいのかもしれないが観る側の気持ちを置き去りにしすぎていませんか?
前回も同じような事を書いた記憶があるが、ベン・ゲイツがどんなにすごい歴史学者であろうとも謎解きがあまりにもスムーズ
にいきすぎでは?作り話とはいえ、もう少し現実味があってもよかったと思う。悪に対する考え方がアメリカ政府って感じが
します。
興行成績の事だけを考えて作られた作品という気がします。この作品を選択してしまった自分に腹が立って書きたいだけ
書いてしまったという気がするのですが、大丈夫でしょうか?
2007年 ジョン・タートルトーブ監督
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三部作の第一章。浦沢直樹の原作がベストセラーになっているので、原作ファンの人も多いと思われますが、原作未読のまま
鑑賞しました。
おもしろかった。非現実的な話なのかと思っていたのですが、登場人物は自分の周りにも存在しそうな人物ばかり。時代的にも
私自身と重なる部分があると思う。少年ケンヂ(西山潤)が乗っていた方向指示器がフラッシャーになっている自転車が懐かしかった。
それと、学校の昼休みや掃除の時間に流れるポール・モーリアの音楽。どこの学校も同じような事をやっていたんだなぁとノスタルジー
な気持ちになりました。罪のない子供時代の出来事。大人になってから考えると怖かったり残酷に思えたりする。まして、大人になってから
実行しようなどとは思えない。そんな事ができるのかと、半信半疑だったけど、どんどん現実になっていくのが怖かった。”ともだち”は、
いったい誰!目的は何!そんな疑問が頭を駆け巡る。とても楽しいエンターテーメント作品だった。早く続きが観たい。もしかしたら
原作を読んでいない方が楽しめるのかな?
期待しすぎると次で裏切られるんじゃないかと余計な心配をしてしまう。シリーズものは、むずかしい。いつもながらそう思う。
それにしても随分たくさんの人が出てるなぁ。
2008年 堤幸彦監督
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2008/10/8 |
28週後… |
28 WEEKS LATER |
前作の”28日後…”は、めちゃくちゃ怖かった。こういう作品は、怖すぎて到底大きなスクリーンで観ることができないので、DVD
をTV画面で鑑賞。
前作では、動物保護団体のエゴに腹を立てた記憶がある。レイジというウィルスに侵され人間が狂っていく。新型インフルエンザ
に怯える現在、この映画の中の出来事も身近に思えてしまう。感染の速さは、人間の力などで抑えられるものではないと思った。
一度治まったウィルスが再び広がっていく様子が客観的に描かれていて怖かったが、それゆえの説得力。ドン(ロバート・カーライル)が
妻アリス(キャサリン・マコーマック)に対してとった行動は、後々まで彼の心に影響を与え、弱さを生んでしまったと思う。
彼の置かれた状況を考えると彼の取った行動を過ちという言葉で簡単に片付けられない。しかし、その後もいろんな立場の人が
人間ゆえの過ちを犯してしまい、それがきっかけとなり感染が進んでしまう。過ちを犯し、その度に二度と犯すまいと誓うのが
人間。そして、過ちを犯した事自体を忘れてしまう事が一番の恐怖と言えるかもしれない。
制作側がメッセージを伝えようとして力が入ると案外伝わってこないものだと思う。いい意味でこの作品には何も込められていない
気がする。その分、自分の思いに到ることができたと。
2007年 ファン・カルロス・フレスナディージョ監督
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おすすめの一品 |
ペラーワイナリーアイスワイン3本セット |
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