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アフリカという土地は、いろいろな要素で注目されている国なのだと思う。”ナイロビの蜂”にも考えさせられたけど、この作品も
同じくです。
一つのダイヤに絡む人々を上手くつなぎ合わせ描かれている。その中心に置かれているのが漁師ソロモン(ジャイモン・フンスー)
の家族である。特にソロモンと息子の身の上に起きた事は、戦いの続いている国ではよくある出来事だと思われた。大地から生まれる
資源に対する人類の欲望は限りない。地球に暮らす人類は必要悪なのかなと考えたりする。戦いの映像や残酷な映像の後ろにある
アフリカの景色の美しさがとても印象的だった。アフリカを舞台にした映画を観るたびに思うことだ。たぶん生涯、自分の足でその
土地を踏む事はないだろうという気持ちがいっそう美しく見せているのかもしれないが…。今回、レオナルド・ディカプリオは
密輸に手を染める元傭兵役だ。彼の作品を全て観ているわけではないが、この役はあたり役だと思った。”ギルバート・グレイプ”
での彼の名演技を彷彿させるものがあった。
元々、宝石にはあまり興味がない方だが、たとえ買えたとしてもしばらくダイヤは買わないだろうと思う。この映画を観た
世界中の人々がそう思うのではないだろうか。
2006年 エドワード・ズウィック監督
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シリーズ3作目。名プロデューサー、ジェリー・ブラッカイマーでもシリーズものには苦戦かな?
長〜い、長過ぎます。体調万全の時に観ましょう。欲張りたい気持ちは分かるが、たくさんの事柄を盛り込みすぎかな?もう少し
引き算して2時間内に収めて欲しかった。3時間弱を長いと感じてしまいました。前半、台詞が説明に入っていて、正直何度か
意識がふっと遠のいてしまった。思えばデッドマンズ・チェストの時からその傾向はあった気がする。2,3作目は、思い切って
ウィル・ターナー(オーランド・ブルーム)にスポットをあてて、ジャック・スパロウ(ジョニー・デップ)は脇ぐらいでよかった
かもしれない。いろんな外野の声を聞き入れて作った結果が2,3作目なのかな?結果的に登場人物の心が見えにくかった。デイヴィ
・ジョーンズ(ビル・ナイ)のエピソードもせっかく哀しいメロディがあったのに、使いきれていなかったと思う。一流のスタッフを
揃えすぎて、技術に走るハリウッドの悪い傾向が出てしまった感じがします。
平常心を保つため人前に出ることをなるべく避けていたジョニー・デップだったが、この作品では別人のようにプロモーションに
励んでいた。大丈夫かな…ファンとしては心配になっちゃう。
2007年 ゴア・ヴァービンスキー監督
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2007/6/27 |
秘密のかけら |
WHERE THE TRUTH LIES |
サスペンス大好きなので、仮に世間で駄作と言われようがとりあえす観てみたいと思います。
役者が揃っているのが、まずマルです。アリソン・ローマンもコリン・ファースもケヴィン・ベーコンも大好きな俳優です。
サスペンスは、半端な役者じゃシラけてしまう。人間の奥底にある捻じれた感情をさらりと演じてこそ、恐怖が伝わってくる。
ヴィンス(コリン・ファース)には、底知れぬ怖さがあった。一瞬にして豹変する様は、背筋がぞっとしました。自分の近くに
いたら近づいてはいけないタイプの人間だと思う。ヴィンス、ラニー(ケヴィン・ベーコン)、カレン(アリソン・ローマン)
、3人の間で不安定に保たれている距離感が作り出す空気。それこそが、この映画のすべてだと思う。カレンが真実を一つずつ
丁寧に検証していく。それと同じ目線で事件を知る事ができる。真実を明らかにする事によって、事件関係者の家族が傷つく事を
知るカレン。その人のために秘密のかけらをしまっておく事を決心したラストシーンが良かった。
見せ方は全然違うけど”ブラック・ダリア”と空気が似てるなと思った。本作品の方が時期的には先のようです。アリソン・ローマン
とスカーレット・ヨハンソン、どちらも注目の女優です。
2005年 アトム・エゴヤン監督
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有志による署名活動によって日本公開が実現したという本作品。そういう事もあるんですね。遠いアフリカ、ルワンダでの
出来事を知る事ができる。
ポール(ドン・チードル)は、ホテルで支配人として働く優秀なフツ族の男性。妻のタチアナ(ソフィー・オコネドー)は、
ツチ族。ジャーナリストのジャック(ホアキン・フェニックス)も言っていたが、よそ者にはどっちがどっちだかほとんど
区別がつかない。現に違う部族同士で結婚しているという事は、もうぐちゃぐちゃになっていると思うのだが…。明確に区別する
事の方が難しそうだ。ただ、身分証に記された文字だけが、部族を判別する手段となっている。こういう争いは、怒りや悲しみに
よって引き起こされるものだと思いますが、こういった感情は長く自分の中に抱えると、何か違った形に成長してしまうような
気がした。利用価値がある国の揉め事にはすぐにちょっかいを出す欧米諸国の無関心さに驚いたが、自分も結局は何もできない
から何とも言えないまま映画を観た。ただ事実を伝えるというだけではなく、映画として素晴らしい出来でした。
この映画に携わったスタッフや俳優達の「観て、知って欲しい」という気持ちが一つになって、この作品を素晴らしいものに
していると思う。
2004年 テリー・ジョージ監督
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ペドロ・アルモドバル。この監督は、どうしてこんなにも女性を描くのが上手いのだろう。
スペインの女性が強いのか、それとも母親が強いのか。とにかく、娘の殺人の後始末を淡々とするライムンダ(ペネロペ・クルス)
は強すぎる。ただ、がむしゃらに後始末をしているわけではなく、死者への敬意も忘れていないところが冷静すぎて逆に怖い
ぐらいだ。殺人という大変な事件が起きているのだが、日常の出来事のようにさらっと語られているところが不思議な感じがする。
見ている自分も初めこそびっくりしたものの「まっあんまり大したことじゃないか」ぐらいな気持ちになっている。たぶん、
監督が語りたいところはそこじゃなかったのだろう。レストランで客をもてなすライムンダは、とても生き生きとしていて美しい。
そして、劇中で歌われるボルベールという曲がとても心に染みてきます。結局、一番遠ざけていたはずの母親がライムンダの
一番の理解者だった。ほとんどの出演者が女性なのだが、男はなんだか駄目な奴ばかりの映画でした。
ペネロペ・クルスは、貫禄十分な母親役を見事に演じきっていました。いつのまにか、ただのかわい子ちゃんではなくなって
いたのですね。
2006年 ペドロ・アルモドバル監督
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2007/7/31 |
普通の人々 |
ORDINARY PEOPLE |
’80年の米国アカデミー作品賞獲得作品です。じっくりと腰を据えて観るタイプの映画です。いわゆるハリウッド的大作とは
一線を画している感じがします。
’80年の作品とは思えない内容です。ずんと心に響きます。本当のところ長年共に暮らした家族に対して真の愛情を
注げる人は、どれくらいいるのだろうと考えてしまいました。自分本位ではなく、心からの無償の愛を。大部分の人が日常を送る
中で、そういう事について改めて考える機会もなく過ごしてしまっている気がする。家族の在り方を考えさせられる映画だ。
母親といえば家族の間の潤滑油のような存在だと思うが、自分の世界を守ることで精一杯のべス(メリー・タイラー・ムーア)
。弱くて頑固な彼女に同情もするのだが、それ以前に彼女には母親であるという事を自覚して、なんとか解決する方向に進んで
欲しかったと思う。夫、カルビン(ドナルド・サザーランド)と力を合わせて…。べスは、愛を与えられる事しか知らないとても
臆病な人間だと思った。そんな母親の感情に翻弄されてしまうコンラッド(ティモシー・ハットン)。彼が母親のようにならなか
ったのは、目の前の問題から逃げなかったからだ。そこにコンラッドの強さを感じた。そして、父親が彼を守ってくれるだろうと思われる
ラストでホッとしました。
”アメリカン・ビューティー”も同じくアカデミー賞を獲得した作品ですが、これも家族のギクシャク感を上手く表現していたと
思います。家族って世間の人との繋がりの始まり。だから大切にしたいです。
1980年 ロバート・レッドフォード監督
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ここ最近、映画を観ていると欧米人との感覚の違いを強く感じるようになりました(遅い?)。日本以外のアジアの映画は
そんな事もないんですが、今回のような題材だと特にそう思います。
恋愛映画だと思っていたのですが、どうやら話しは単純ではなく見終わった直後は、何?という気持ちでいっぱいでした。
永遠の命を求めさまよい続ける男(ヒュー・ジャックマン)とそれを待つ女(レイチェル・ワイズ)。そのうち女は、残された
時間を愛する人と過ごす事の方が大事だと気付く。だが、男は永遠の命こそが彼女の幸せと信じ、それが結果的には彼女の傍を
離れる事になってしまう。アダムとイヴの時代から続く、男と女の性の違いを示しているように思いました。私は、恋愛映画を
観る心構えで観たので、すぐに全体像を把握する事ができませんでした。ただ、幻想的な映像を観ているうちに、自然に理論的な
事も考えていたので、監督の意図する方向には導かれていたと思います。とてもびっくりな映像で時には美しく、時には怖さ
すら感じたくらいです。
映画を観るのに季節は関係ないのかもしれませんが、どちらかといえば秋向き?かな。少なくとも真夏には向いていないかも
…。
2006年 ダーレン・アロノフスキー監督
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浅田次郎のラヴ・レターが原作です。残念ながら中井貴一主演の方は未見。機会があったらそちらも是非観てみたいと思います。
大金を手にする事を夢見て、いつまでもチンピラ稼業から足を洗えないでいるカンジェ(チェ・ミンシク)と中国から出てきて
、身寄りをなくし偽装結婚で在韓を果たすパイラン(セシリア・チャン)。社会の底辺にいる二人が人との繋がりを大事にし、愛を
求める姿は純粋で切なくて美しかった。誰かと繋がっていたい、繋がっていると思うだけで幸せになれる。そんなパイランの
想いがパイラン自身を支えていたと思う。カンジェがパイランの住む町へ向かっている途中、パイランの気持ちに思いを馳せながら
少しずつ近づいていくのが良かった。そして、パイランがどんな風に暮らしていたかカンジェに伝わって良かった。ただ、こんな哀しい
愛ってあるだろうか。結局、二人は会って話す事もなかった。それでもお互いの事を思って幸せでいられたのかもしれないと
思うと切なくなる。春の海辺で歌うパイランの姿を確かに彼女はいたんだと確かめるようにビデオに見入るカンジェの幸せそうな
顔が忘れられない。
カンジェの弟分を演じたコン・ヒョンジンは結構いろんな作品で観ます。どの役もなんとなく憎めない役なんですよね。
2001年 ソン・ヘソン監督
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夏の暑い暑い日に観にいきました。集中力も減退。そのせいでしょうか?同い年のラッセル・クロウが、ただの無精髭おやじに
見えてしまいました。
映画を観終わった後、ワインが飲みたくなるのは間違いないでしょう。それも赤ワイン。原題もワインにかけているのでしょうね。
一生の内には、その時でなければできない何かがある。それに気付き、実行に移すのは案外勇気がいる事だと思います。これは、
それを実行に移したマックス(ラッセル・クロウ)の話し。それこそヘンリーおじさん(アルバート・フィニー)が残して
くれた遺産なのかもしれない。でも、人間は欲張りだからトレーダーとして働いていた頃のスリルをそうそう簡単に忘れられる
ものではないと思って観てしまいました。人生に大切なのはバランス。忙しい日々があってこそゆったりとした時間を感じられる
もの。ロマンスの部分を前面に出しているように思えたが、実は違った。人生について改めて考えさせてくれる作品です。
マックスの子供時代を演じたフレディ・ハイモアくん、相変わらずの演技力とかわいらしさ。第二のハーレイ・ジョエル・オスメント
と呼びたい。
2006年 リドリー・スコット監督
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劇場で観た予告編に圧倒され、きっとスクリーンで観るべき作品だと確信を持ちました。
大人の童話です。よくできているなぁと感心するばかり。ファンタジーというだけでなくフランコ政権下のレジスタンスの
戦いを取り上げて、信念を貫く事の大切さを少女オフェリア(イバナ・バケロ)に語らせている。妖精の登場も違和感なく
受け入れられる。どこか頼りない感じのオフェリアにみんな自分を重ねて観てしまうと思います。映像は衝撃的なものが多く
子供向きではありません(PG-12)。スペインの画家ゴヤの「我が子を食らうサトゥルヌス」という絵の再現ではないかと思われる
シーンも出てきます。他にも目を背けたくなるシーンが多々ありますが、それを耐えてでも観て欲しいという気持ちはあります。
登場人物のバランスも良く、オフェリアの恐怖の対象となる義父ビダル(セルジ・ロペス)とオフェリアを助けるメルセデス
(マリベル・ベルドゥ)。全編通して、この二人の闘いとも言えるかもしれない。音楽も素晴らしかった。
マリベル・ベルドゥは”天国の口、終わりの楽園”というメキシコ映画でも熱演でしたが、今回も静かに闘う女性を上手く
演じていたと思う。
2006年 ギレルモ・デル・トロ監督
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いよいよ完結。なんだか寂しいような気もします。早く観たいけど、もう少し先延ばしにしておきたいような、そんな
複雑な気持ちで観ました。
しょっぱなから飛ばしますよぉ。スプレマシーでは、慣れなかった手持ちカメラの映像にもかなり付いていけた気がします。
ロンドンの駅でのシーンは、メチャクチャかっこいい!ジェイソン・ボーン(マット・デイモン)は、もう殺人マシーンでは
ないいんだと再認識させてくれます。とはいえ、CIAで身についた知識や経験が、ボーンを戦闘モードにしてしまう。そんな
自分自身と葛藤しながら、本当の自分を捜そうとする姿が何とも哀しい。決まりきったストーリーだが新鮮に感じる。パリ、
マドリード、タンジール、ニューヨークとめまぐるしく移動するのがスパイ映画らしくワクワクさせてくれる。だからといって、
決して派手すぎず、ボーンの行動一つ一つが現実味を帯びている。これこそが、この映画の魅力だと思う。シリーズ一作目が
水のシーンで始まり、本作は水のシーンで終わる。これも監督の意図するところだろうか。終わりは、すっきりです。
マリー(フランカ・ポテンテ)の兄役としてダニエル・ブリュールが出演していました。時間としては、本当に短かったのですが
、存在感ありました。
2007年 ポール・グリーングラス監督
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北京オリンピックを前に中国の公害問題が深刻だ。この作品に登場する村はとても美しく、一見公害とは無縁に思える。
でも、この村もいつかは公害の影響を受けるかと思うと、残念の一言です。
田舎に行くと自然に合わせた生活が営まれている。ヌアン(リー・ジア)とヤーバ(香川照之)が暮らす村も人間と自然が
共存できていて、とても美しいと思った。”山の郵便配達”でもそうだったがフォ・ジェンチイ監督の作品は、文明の利器が
到底及ばない大きな自然を感じさせてくれる。そんな故郷を十年ぶりに訪れるジンハー(グオ・シャオドン)。初恋の相手
ヌアンを見て、十年前にタイムスリップしたかのようになる。ジンハーの中に甦ってきた気持ちを思うと十年の月日は短く
も思えるが、二人が置かれた現実を思うとそれ以上に長かったと思い知らされる気がした。その中で十年変わらなかったのは、
ヤーバのヌアンに対する愛情だけだったかもしれない。三人がお互いの気持ちを知りながら、ぎこちない時間を過ごし、やがて
迎える別れのとき。互いに相手を思いやる気持ちがとても美しく、そして切なくも感じました。
原作者のモー・イェンは”至福のとき”の原作者でもありました。この作品は、いまだに観るたびに必ず泣いてしまいます。
2003年 フォ・ジェンチイ監督
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お正月、人ごみは苦手なのでDVDを借りる事にしました。若手女優とベテラン女優の組み合わせで、評判通りおもしろ
かった。
コメディだけど結構考えさせられた。自分の立場だったらどうするかなぁ。なんて思いながら観ました。最初からテンポが
良くて、ファッションの事が分からなくても楽しめました。極端な描き方をしているように見えるけれど案外、身近に有り得る
出来事だと思う。仕事をしていると理不尽な事や人に見舞われるて、へこむ事がよくある。そんな自分を支えてくれるのが
家族や友人、夢だったりする。大事なものを見失ってしまいそうになる事もしばしば…。アンドレア(アン・ハサウェイ)
のような人は世の中にたくさんいるのでは?アンドレアの話しだけだと単調なよくある話になってしまうところだったが、
ミランダ(メリル・ストリープ)の存在がどぉ〜んと話しをおもしろくしている。ミランダという存在に悲哀を感じさせられるのは
メリル・ストリープの演技力ゆえんだと思う。さすがです。年の初めからすっきりできました。
メリル・ストリープ、人間としても女優としても素晴らしい。こんな褒め言葉も陳腐に思えてしまうほど凄い人だと思う。
同じ女性として憧れます。
2006年 デイビッド・フランケル監督
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2008/3/9 |
ホリデイ |
THE HOLIDAY |
金曜の夜、ワインを飲みながら観るのにぴったりの映画だと思います。最近、生活形態の変化でなかなか映画館に行けずに
います。ゆえに久々の更新はDVD鑑賞にて…。
自国語圏で違う国を探せるという状況が羨ましい。私も日本語が通じる他所の国に行ってみたぁい。アイリス
(ケイト・ウィンスレット)の恋は静かで、出版業界で働く彼女ならではという感じです。この映画の状況自体があり得ない
と思わせるものなので、その中でも登場人物が仕事を持つ独立した女性という設定はなかなか説得力があった。今回、配役で
一番光っているのは、ジュウド・ロウでしょう。よくありがちな、色男ではなく、泣き虫でどちらかというと地味。彼が
演じるグラハムは、繊細な男という印象でした。容姿の美しさは、演技派を目指す俳優にとって邪魔になる時もあると
思うのですが、そんな中でも彼は力が抜けていて、俳優としての自分の位置をしっかり確保できている方だと思います。
男女の出会いは、行動なしには生まれない。そんな事を思わせてくれるハッピーな恋愛映画でした。
映画公開時に来日したキャメロン・ディアスとジュウド・ロウをビストロスマップで見ました。プライベートもいい友人
のようで、そんな二人の関係が映画にも出ていたように思います。
2006年 ナンシー・マイヤーズ監督
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劇場で見逃した作品です。この監督の作品は、相変わらずどんよりしていますね。監督自身ネガティブな人間なのかと
本気で思ってしまいました。
残酷で物悲しい。でも、事の始まりは…。まるで子供の喧嘩レベル。だから余計に恐ろしくなる。二人のマジシャン、
ロバート・アンジャー(ヒュー・ジャックマン)とアルフレッド・ボーデン(クリスチャン・ベイル)の名声争い。人間の
醜さが思う存分描かれていて、気分が悪くなる。誰しもライバルに負けたくはないという気持ちはあると思う。が、一歩
間違えばストーカーにもなりかねない。お互いにどんどんエスカレートしていく様子は、狂気としか言いようがない。でも、
すべての人間にこういう側面はあるのかもしれないと思った。誰もがこうなり得るという事を言いたかったのだろうか。
必要以上に深読みしてしまう。最後のマジックの仕掛けは驚きで、それまでの事がすべて吹っ飛ぶ思いだった。結局、いろいろ
目くらましはあったけれども物事は単純に成り立っているものだと思った。
次々と大作を創りだしているが、この監督の作品はどちらかというとコアなファン向けではないかと思うのですが…。
寂しい感じがロバート・デニーロの”フランケンシュタイン”を思い浮かばせた。
2006年 クリストファー・ノーラン監督
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2008/11/16 |
ブーリン家の姉妹 |
THE OTHER BOLEYN GIRL |
NHKの教育テレビで”ヘンリー8世”
のドラマを観て衝撃を受けた覚えがある。学校の勉強だと嫌いな歴史も、映画や漫画になると
おもしろく興味が持てる。
出世欲が強く負けず嫌いな姉アン(ナタリー・ポートマン)
と愛に生き慈悲深い妹メアリー(スカーレット・ヨハンソン)
。二人の対照的な
性格が物語の中心になっている。心の内の恐怖を抑え最後まで虚勢を張るアンの姿が印象的でした。何が何でも欲しいモノを手に入れようと
する人というのは、周りが見えなくなるものだ。子供たちを出世の道具にしてしまったブーリン卿(マーク・ライランス)
もその典型。
母親のレディ・エリザベス(クリスティン・スコット・トーマス)
が痛々しく、同情してしまいます。ヘンリー8世(エリック・バナ)
については、あんまり良い王様とは思えないけれど、この時代に決められた事が現在の英王室まで引き継がれていると思うと複雑。この後も
多くの人が彼によって処刑される。そういう時代だと云えばそれまでだけど、長い歴史の一ページですね。
メアリーの配役は、ナタリー・ポートマンが提案したと聞いた。見事にピッタリの配役でした。近々ラッセル・クロウ
とレオナルド・ディカプリオ
の共演作があるみたいでそちらも楽しみです。
2008年 ジャスティン・チャドウィック
監督
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歴史を知るためにも観ておかなければと思い観た作品です。いろんな形で虚しさや悲惨さを伝えても同じ事を
繰り返してしまう。結局は、そうなってしまって初めて分かるという事でしょうか。
麻薬や贋札作りといった罪を国家レベルで犯す。追い詰められた時に国のトップが考える事は、みんな同じ。
何でも有りの世界。許せないって思うけど、人類が同じ事を繰り返す限り、自分だってサリー(カール・マルコヴィクス)
と同じ行動をとってしまうと思った。しかし、劇中で造られていた贋ポンド札。紙幣をカットするのに定規
みたいなもので切っていた。あれで完璧な贋札になるのかぁと驚きました。いい加減さのさじ加減
が難しそう。二次大戦も終盤で本当に物不足だったんだろう。どんなに立派な大義名分を掲げているトップ
でも、追い詰められたら自分の事しか考えない。カリスマ性があればあるほど要注意。いつの時代も冷静さを
失っては、いけないと思った。ヒトラーという人物は、群集が作り上げてしまった虚像。集団心理の恐ろしさを
感じる。
1989年にベルリンの壁が崩壊するまで東ドイツでは一般人の監視が行われていたという事実を”善き人のためのソナタ”
で知った。すべてを明らかにするには、長い時間がかかるものですね。
2006年 ステファン・ルツォヴィツキー
監督
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2009/2/7 |
譜めくりの女 |
LA TOURNEUSE DE PAGES |
出生率が上がっている国、フランス。成熟した社会というイメージです。映画もそんな感じ。
ピアニストのマリアーヌ(カトリーヌ・フロ)
とピアニストへの夢を絶たれたメラニー(デボラ・フランソワ)
。
静かに流れていく時間とは裏腹に、ゾクッとする怖さが身体を通り抜けていく感じです。メラニーの心が読みきれなくて、
私もマリアーヌと一緒にメラニーの罠にはまってしまった。メラニーの心を知りたいと思うが、最後まで閉ざされたまま。
彼女の中には何が残ったのだろう。とても賢い女性なのに、まるで阿修羅のような心で復讐に走ってしまう。それが、
とても残念。判っていても正しい場所へ戻れなくなってしまう。人間の心の弱さを感じます。メラニーの無表情が怖かった。
二人の女性の心理が細かく描かれていて、ひとつひとつの行動から目が離せなくなります。頭の中でいろんな事を
思い巡らせながら観てしまいました。
以前はフランス映画って訳が分からず、とにかく苦手意識が強かった。でも、最近は集中させてくれる作品が多いと
感じ、特に好きになりました。
2006年 ドゥニ・デルクール
監督
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おすすめの一品 |
ペラーワイナリーアイスワイン3本セット |
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