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お葬式のときには、確かに懐かしい人たちが集まってくれますね。でももし自分の死期が判っていたと
したら、生きているうちに会っておきたいと思います。理想的な別れができるかどうかは別として…
理想の死に方とでもいうのでしょうか。わがままお父さん、息子に感謝ですね。ただこのお父さんすご
くチャーミングなので「しょうがないなぁ」と言いながらもわがまま聞いてあげちゃう感じなのですよね
。びっくりしたのはカナダの病院事情。労組が強くて本当にこんな感じなのでしょうか?廊下にベッドが
あるなんて考えられない。でも息子はどんな事にもめげずに、冷静に対処して、とにかくお父さんの為だ
けに全力を注ぐ。素っ頓狂な行動をとっていても、あまりにまっすぐすぎて、こちらも納得させられてし
まいます。
世界で尊厳死はどこまで認められているのでしょうか。この映画を見る限り、カナダでも認められてい
ないようですが。悲しいことではあるけれど、高齢化社会になると避けては通れない問題なのかもしれま
せん。
2003年 ドゥニ・アルカン監督
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クリント・イーストウッドとモーガン・フリーマン、この二人の二度目の共演というだけでも、この
映画を観る価値はあると思います。
”父親と娘のラヴストーリー”パンフレットに書かれたクリント・イーストウッドの言葉です。マギ
ー(ヒラリー・スワンク)に感情移入しすぎました。映画を観た人のほとんどが、出演者の誰かに自分
を重ねてしまうのではないでしょうか。とても冷静ではいられない映画だと思います。特に家族の問題
については…。”ボクシングで勝つと言う事は、ただ相手を倒すという事ではなくて、相手の尊厳を奪
うことだ”と語ったスクラップ(モーガン・フリーマン)のナレーションが、最後まで耳から離れませんで
した。そして、ここぞというシーンで流れてくるクリント・イーストウッドの音楽。ピアノとギターの
シンプルなメロディが気持ちを高ぶらせます。すばらしい映画でした。ちなみに、私の相方は観終わっ
た後、「くやしい」と申しておりました。その気持ちも解ります。
ヒラリー・スワンク。健気な感じがとても良かった。この作品がアカデミー賞4部門受賞した事に納
得です。
2004年 クリント・イーストウッド監督
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時代ものの映画は、物語だけではなく衣装やインテリアなどを見る楽しみもあります。
私の中のジュリア・ロバーツのイメージとは、違うと思って観ていたのですが、改革していくとい
う役どころは、彼女にピッタリかもしれません。美術史の教師キャサリン(ジュリア・ロバーツ)の
授業がとても興味深かった。絵についての概論よりも、絵の見方に重点を置いて、生徒同士に議論さ
せる。課外授業だと思うのだが、ポロックの絵を観ていたのが印象に残った。女子大が花嫁学校と化
しているような授業も見受けられ、フェミニズムを推進しているわけではないが、思わず「そこまで
やるか」と突っ込みを入れたくなるぐらいの授業でした。女子学生役のキルスティン・ダンスト、ジュリア・スタイルズの輝いている感じがとても良かった。皆、それぞれに自分の生き方を探している
姿が美しい。結局、保守的であるべきかどうかではなく、愛なくして…というところなのかなと思い
ました。
映画の中でビッグバンドが演奏している曲の数々に耳を奪われました。特に”YOU BELONG TO ME”
は大好きな曲なので、「もう少し聞かせて」と思ってしまいました。
2003年 マイク・ニューウェル監督
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どうも聞いた事のないタイトルだなと思ったのですが、劇場未公開作品でした。
凍った池の上でアイスホッケーをやっているのですが、そのバックには常に切り立った岩山
が姿を見せる。アラスカは、確かにアメリカではあるのだけれど、遠いところにあるなと…。
劇中の台詞にも「女が生きていくには辛い場所だ」とあります。そんな場所にニューヨークの
チームが来て、地元チームと戦うなんて、一大イベントですよね。ラッセル・クロウ演じるホ
ッケー選手が、かっこいいです。自分の気持ちを奥さんに伝える方法も、不器用さを100%
出している。こういう役が似合いますね。話は、夫婦関係やご近所の事が中心で、特に何か心に
訴えかけるというものではありませんが、日曜日の昼に観るにはいいかな、と思いました。そうそう、
タイトルのミステリーは町名です。
ラッセル・クロウ、同い年でした。人の人生なんて、こんなにも違うものなんですね。比べて
ごめんなさいという感じです。
1999年 ジェイ・ローチ監督
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原作本がある作品です。公開されていた時は観るまでには至らなかった。私としてはこの類いの
作品を観るには覚悟が必要かな。
最初に流れたメキシコシティにおける子供の誘拐事件についての説明が怖かった。それを
観た所で話の半分ぐらいは把握した事になるかもしれません。後はピタ(ダコタ・ファニング)
がジョン・クリーシー(デンゼル・ワシントン)の閉ざされた心の扉をどうやって開けていき、
誰が事件の首謀者で、何が原因で誘拐事件が多発するのかという事について語られている。
ジョン・クリーシーは、暗殺という仕事から命を守る仕事へと180度違う道を選ぶのだが
訓練された事は身体に染み付いているといった感じで事件解決へと臨む…。前にも述べた事が
あるように痛いのは苦手な私です。大胆に行われる誘拐の手口にただただびっくりでした。
いつもシビアな役をやっているイメージのデンゼル・ワシントンなのですが、違う路線はやらないのかな?
2004年 トニー・スコット監督
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お正月に観る映画としては最高だと思う。でもすごく混んでいて偉い目にあいました。
一時間前に行ったぐらいじゃ最前列になってしまうんですね。4列目の”パイレーツオブカリビアン”
の記録更新!
アクションシーン満載のコメディ。とっても派手な夫婦喧嘩です。ジョン(ブラッド・ピット)
とジェーン(アンジェリーナ・ジョリー)の夫婦が、お互いの秘密を知る事によって倦怠期を
乗り越えていく所がとても共感できました。ただしこんな大きな秘密あり得ませんが…。二人が
お互いの腹をさぐり合うシーンが特におもしろい。しかしこの二人ほんとに息が合ってます。
だから実生活も…まっそれはいいとして、アクションもばっちり。ダグ・リーマン監督の得意と
するところですね。弾が詰まりやすい銃だとか、車のハンドルの反応が悪いだとかの台詞に演出の
細かさを感じました。ぜひご夫婦でご覧下さい。
この作品に力を入れていたという事で”ボーン・スプレマシー”の方は製作総指揮にまわったダグ・リーマン
監督ですが、個人的には”ボーン・スプレマシー”の方も監督して欲しかった。
2005年 ダグ・リーマン監督
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トリノオリンピックの真っ最中。今回もデンマークの風刺画が発端となったイスラムの問題が
起こった。この大会を目指して頑張ってきた選手たちに危害が及ばない事を祈るばかりです。
スピルバーグ監督はユダヤ系だと聞いているが特に自分の立場を強調する事もなく、公平な
目線でありのままに描こうとしている姿勢が窺がえた。アヴナー(エリック・バナ)が変化していく
様子に報復という行動がどれだけ人間を蝕んでいくものなのかを見せられた気がする。はじめは
人を殺す事に躊躇していたがやがては計画になかった殺人にまで至ってしまう。信念を以って
行動するアヴナーたちよりも情報を売ってお金を得るルイ(マチュー・アマルリック)たちの方に
正当性を感じてしまった。家族のあり方に於いては、特にそう感じた。何よりも家族を危険に
晒すような事をしてはいけないと思った。社会の最小単位は家族なんだという事を改めて考えさせて
くれたこの映画はすばらしい。余談ですがフランスは日本とは真逆で出生率が高いらしいです。
憎しみの連鎖はどうすればなくなるのか。今の私たちには語り継ぐ事しかできないのかもしれない。
こういう映画が世に出ている限り平和への希望を捨てずにすみそうだ。
2005年 スティーヴン・スピルバーグ監督
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2006/4/7 |
息子の部屋 |
LA STANZA DEL FIGLIO |
ヒガミと言われてもしょうがないと思うのですが、男一人と女一人の子供を持つ親の心はほとんど
男に向いてしまっていると思う。私もこの頃ようやくその事実を受け入れられるようになりました。
父親ジョバンニ(ナンニ・モレッティ)の悲しみで溢れている映画だと思います。大切な息子
アンドレア(ジュゼッペ・サンフェリーチェ)を思う気持ちが強すぎて、息苦しく感じるくらいです。
こういう時は考えるよりも行動あるのみなんだなと感じた。息子の辿った場所に行ってみたり、
心を寄せていたらしい彼女に会ってみたり…。夜通しのドライブで朝を迎えるシーンがまるで
父親の気持ちとリンクしているようで、子供を失った気持ちを癒していく過程がわかりやすく
描かれていたと思う。私としては「早く立ち直ってイレーネ(ジャスミン・トリンカ)の事も考えてあげて」
と思って観てしまいました。
この映画のように海沿いをドライブしてイタリアからフランスまで行ってみたいなと思った。
2001年 ナンニ・モレッティ監督
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自閉症については、ほとんど知らない事ばかりですが感想を書くにあたって調べてみたところ、
日本で障害として認められたのは平成6年。まだまだ発展途上の世界だと感じました。
自閉症であるユン・チョウォン(チョ・スンウ)の話ですが、当事者ではない私にも十分に
伝わるほど母キョンスク(キム・ミスク)の複雑な心境が分かりやすく描写されている。自分の
子供が自閉症であるという事実を受け入れるのは辛い事だと思う。たぶん、消し去ってしまいたい
ぐらいの事実かもしれない。チョウォンには時間の観念がなく、社会とは違うものさしで生きている。
その世界を映画で表現するのは難しいと思うのだが、チョ・スンウの演技力が可能にしている。
キョンスクは息子を心配する余り頑固になりすぎている気がした。もう少しいい加減…というか
、緩い気持ちになってもいいかなと傍目には思う。そうは言っても当事者にしてみればなかなか
難しいことなのだろう。障害者の自立について考えさせられる作品です。
走っている時の正面からの顔が特にそうなのだが、チョ・スンウがどうしてもスマップの草なぎくん
に見えてしまう。
2005年 チョン・ユンチョル監督
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首飾り事件については、池田理代子の”ベルサイユのばら”で知ったのですが、ジャンヌについては
かなり違った解釈だったような気がします。
ヒラリー・スワンクの時代ものというのは、なかなか想像できませんでしたが、お色気もあり
結構よかった。生家の復興だけを願って生きていくジャンヌという役はヒラリー・スワンクに
ピッタリだ。何かを思いつめ訴える表情がすばらしい。そして、政略結婚で一緒になったニコラ
(エイドリアン・ブロディ)。浅はかさが出ていてよかった。この時代に女性であるジャンヌが
お家再興するという考えを持つ事自体、途方もない事だったと思う。結局、自分の意思を貫く為に
世間を欺いた。まさしく男装の麗人オスカルではないだろうか。フランス革命前後は”事実は小説よりも奇なり”
という言葉がぴったり当てはまる時代だ。何よりも王と王妃の処刑がギロチンだったという事が
信じたくないほど残酷だ。民衆の集団ヒステリーを収めるには一番効果的だったのでしょうか。ベルサイユ宮殿
の華やかさが見られます。
作品中カリオストロ伯爵(クリストファー・ウォーケン)という人物が登場します。これって
ルパン3世のカリオストロの城の人と同一人物?データベースは飽くまでもマンガにある私でした。
2001年 チャールズ・シャイア監督
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2006/5/18 |
摩天楼を夢みて |
GLENGARRY GLEN ROSS |
この映画、最初のシーンで遠い昔に観た記憶が甦ってきた。その頃に受けた印象と今回とでは
だいぶ違ってますが…ただただ大人の世界だなぁと思って観ていたと思います。
ストーリーが霞んでしまうのではないかと心配になるくらいそうそうたる役者が揃っている。誰の演技が
どうのと言うのは野暮でしょう。出だしの場面で流れるジャズからもう世界に引き込まれていく。
雨の効果は絶大です。それも土砂降り。逃れられないという気持ちを強くさせる。車の中と終わりの
方でのレビン(ジャック・レモン)とウィリアムソン(ケヴィン・スペイシー)のやりとりは緊迫感が
あって見所だと思います。常に娘の心配をするレビン。こんな心理状態では売れるものも売れなく
なりそうだ。サラリーマンの悲哀を感じる。一方、ローマ(アル・パチーノ)は、今のところ勝つ
イメージのみを持ち、攻め続ける絶頂期のサラリーマンだ。レビンも昔はローマだったかもしれない。
逆にローマはレビンになるかも知れない。宮仕えの身としては身につまされる話です。
最近観たリチャード・リンクレイター監督の作品も台詞で勝負、役者で勝負といった感じの映画でした。
こういう形態の作品は映画人のやる気を駆り立てるのでしょうね。
1992年 ジェームズ・フォーリー監督
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2006/6/13 |
ミッシング |
THE MISSING |
西部劇は数えられるほどしか観ていません。だから西部劇とはどんな物なのかあまり分かって
いないというのが本音です。
最初に治療師と呼ばれているマギー(ケイト・ブランシェット)が前歯を抜く場面が出てきますが、
こういう痛いシーンは苦手です。インディアンには医者から治療を受けるイメージがなかったが、
この映画では割とあっさり受けていた。白人もインディアンもかなり入り交じってきている頃だから
かもしれない。ミッシングというタイトル通り、娘のリリー(エヴァン・レイチェル・ウッド)が
さらわれる。つくづく自分は電気もガスもない所では生きていけないと思った。この映画は闇が
とても怖いものだと教えてくれる。そして闇よりもっと怖いのが妖術使いの存在だ。ひと睨みだけで
恐怖を煽る。親子の愛がそれに勝って良かった。マギーは父親(トミー・リー・ジョーンズ)
の性格をそのまま引き継いでいる気がした。だからこそずっと憎み続けてしまったのかもしれない。
華々しい経歴の監督です。最近では”ダ・ヴィンチ・コード”に”シンデレラマン”そして
”ビューティフル・マインド”凄いけど凄すぎて逆に引いちゃいます。
2003年 ロン・ハワード監督
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2006/7/23 |
M:i:V |
MISSON:IMPPOSIBLEV |
シリーズ3作目。もしかしたら2作目は観ていなかったかもしれない…と今更ながら思った。観なきゃ
今回は特に女性に受けるのではないでしょうか。イーサン・ハント(トム・クルーズ)の弱さを覗かせる
私生活と必死に頑張る仕事振り、この二つのギャップはたまりません。しかしながらこれは男性の
理想でもあるのかな?と思ったりもしました。”スパイとして戦うイーサン”=”妻を守る夫”。
トム・クルーズファンには嬉しい限りなのでは…。アクションも期待を裏切らず、特に上海の
ビルからビルへの場面は見応えがあった。”スパイ・バウンド”などの映画を観れば、実際に機密情報
に関わっている人たちが地味でいかに孤独と戦い危険と隣り合わせに生きているかがわかるが、
この作品では細かい事には一切こだわらずに観るべきです。「私の合図で作戦開始だ」のような
お決まりの台詞で意外にドキドキできるものだ。イーサンが死ぬ事は決してないのだから…。
自分がどうすればかっこよく見えるか、自分のセールスポイントを120%ぐらいの勢いで出している
トム・クルーズ。これが彼の生き方なのですね。
2006年 J・J・エイブラムス監督
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ロードムービーと謳われると少し引いてしまう。観たいけどついつい後回しにしてしまいがちだ。
そんな訳でこの作品もかなり遅くなってしまいました。偏見はいけませんね。
これこそが旅。その地に住む人々の生活に触れ、風を感じ、心を開く。はじめは、ただ旅行好き
の青年だったエルネスト(ガエル・ガルシア・ベルナル)とアルベルト(ロドリゴ・デ・ラ・セルナ)。
運命を感じます。もともとエルネストは理想に燃え誠実で勇気ある青年だった。旅の途中、彼は
何を見たのだろうか。原住民を小作人にする地主、それとも病気に苦しむ人々か…。どんな人にも同じように
一日は巡ってくる。そんな事を考えてしまう。二人の目線で映し出される旅の景色。ペルーのマチュピチュ
は、私もいつか行ってみたいと思っていた場所。それだけにその景色が現れたときは、まるで二人と
一緒に旅して来たかのような錯覚に落ちた。いろんな事を感じながらエルネストの気持ちがどんどん
膨れ上がっていく様子が伝わってくる。「誰かの役に立ちたい」最後に過ごした療養所でそう話すエルネスト。
彼はそこで一滴の雫が大きな岩をも砕く事を信じられる人間になったのではないかと思う。後に
彼が革命家になると思うと感慨深いものがある。
ウォルター・サレス監督の作品では”セントラル・ステーション”も良かった。”ダーク・ウォーター”も
この監督によるものだと知って、ちょっとびっくりです。
2003年 ウォルター・サレス監督
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2006/10/21 |
見知らぬ乗客 |
STRANGERS ON A TRAIN |
タイトルとあらすじだけで借りたのですが、ヒッチコックの作品だった。ヒッチコック作品は、まだまだ観ていない作品の方が多いのだと思います。
出だしから映像に引き付けられっぱなし。’51年の作品なのだが、古さは感じられない。撮影方法でヒッチコックが始めたという手法は
多いのではないでしょうか。見事としか言いようがありません。特にブルーノ(ロバート・ウォーカー)の無気味さ、この表し方が上手い。
時にはずっと遠くの柱の影から、時にはテニスコートの観客席から、ガイ(ファーリー・グレンジャー)をじっと見つめる姿が怖い。そして、
知らぬ間にガイの側にいるブルーノ。何故?と訴えるブルーノの目が男性というより女性を彷彿とさせ、少々病的な感じ。ブルーノは、
完全に現実逃避していて、世の中が自分の思い通りになると信じている。ストーカーの心理状態そのものだと思う。そういう事を考えながら
観ているとますます怖くなってくる。怖さをチラッと見せておいて、後は想像させる。これこそがヒッチコックならではと言えるのでは
ないでしょうか。
観る側の心理状態をしっかり捕らえるヒッチコック作品。だから忘れられない映画になる。必ず登場する金髪美女もお楽しみの一つですね。
1951年 アルフレッド・ヒッチコック監督
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チョン・ウソン目当てに立て続けに韓国映画を観て気付いたのですが、日本人が音楽担当している事が多い。偶然なのか?
韓国と中国は陸続きだから今も昔も一つの国みたいなものだなと思った。チョン・ウソンはどこに出ているんだろうぐらいの軽い
気持ちで観始めたのですが、全体的に俳優人のバランスが良かった。中でもアン・ソンギという俳優は、全体を締める名脇役だったと
思う。戦いだけを取り上げた話しに終わらず、武士一人一人の心情を上手く絡ませていたのが良かった。そして、砂漠に咲く一輪の
花の如く登場するチャン・ツィイーの姫役も雰囲気が出ていた。わがままで冷たそうな感じがそれらしい。でも、もしかしたら
チャン・ツィイー自身戦いたかったかも…。今回は最後までヨソル(チョン・ウソン)に守られていた。私としては森での戦いのシーン
が一番盛り上がったので、その後の城壁での攻防戦が蛇足のように感じられたのが残念だった。歴史から忽然と姿を消した使節団が
モデルだという事ですが、明の姫と出会うという設定がおもしろかった。
日本の映画界の頑張りも認めるけど、こういう作品を観ると全体的なレベルの差を感じずにはいられません。
2001年 キム・ソンス監督
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どの作品を借りるか、いつも相当迷います。なかなか勘が働かない。たくさんの作品を観ないと養えませんね。その時の
自分の心理状態などもかなり影響してくると思うし…。これは、当たりです。
ゲイの老人ホーム”メゾン・ド・ヒミコ”での話し。自分の父親がゲイという事実は、なかなか受け入れがたい。理解して
あげなければいけないという気持ちはあるのだが…。そういったところから沙織(柴崎コウ)の立場は想像しにくいが、ゲイ
であるという事よりも母娘を捨てた事への怒りの方が勝っているように感じた。ゲイに対する理解は、たぶん時間をかければ
できるような気がした。犬童監督の作品は、日常とは少し違う時間の流れや世界、景色を見せてくれる。映画を観る人に
委ねる感じの作品が多いと思う。どの作品でも若手俳優たちがいきいきと演技している。オダギリファンにとっては複雑かも
しれないがオダギリジョーの春彦役は、ほんとにゲイの青年に見えた。柴崎コウも見事にブスな事務員役になりきっていた。
観終わって優しい気持ちになれる映画です。
本作品のオダギリジョーを見ていて、高校時代に流行った”風と木の詩”という漫画を思い出しました。その中の登場人物
として出てきそうです。
2005年 犬童一心監督
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2008/3/16 |
街のあかり |
Lights in the Dusk |
フィンランドは、教育大国と呼ばれ勉強はもちろんスポーツ、芸術でもトップレベル。伝統を守り、ルーツを大事にしている
国という印象があります。
なんだか教訓的な映画だった。職場と家を往復するだけの生活を送るコイスティネン(ヤンネ・フーティアイネン)
。仕事仲間とも馴染めず、ほぼ自分の妄想の世界で生きている。彼を理解していたのは、ソーセージ屋のアイラ(マリア・ヘイスカネン)
だけだったのに…。周りも彼の事を負け組と見ていたけれど、彼自身も自分の事をそう思っていたように見えた。結局、
自分の価値を決めるのは自分自身。コイスティネンも人をうわべだけで判断する周りの人たちと変わらないように思えた。
そんなコイスティネンにとって、アイラは自分と同じ世界に住む人間であっても、ミルヤ(マリア・ヤンヴェンヘルミ)は違った。ミルヤ
の事は、勝ち組の象徴のように見えたのかもしれない。ひどい事をされたにもかかわらず、最後まで誠実な態度でミルヤに
接していたのが印象的だった。その誠実さと優しさでアイラと共に生きなさい。そんな気持ちになるラストでした。人間的には、
完璧で器用な人より、コイスティネンのような人が信用できると思う。
”過去のない男”もかなり個性的だったが、カウリスマキが描く主人公は、強烈な個性の持ち主が多いのかな?観ている方
としては、そんな主人公に心を奪われるのだと思う。
2006年 アキ・カウリスマキ監督
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TVで予告を観た瞬間、劇場で観るのは止めようとと決めてしまった私。どこか冷めた目で人間を描き出す
スティーヴン・キング
の世界は、どうもクセになる。
序盤から霧が出てくるので、なんて早い展開なんだと思っていると、得たいの知れない化け物が…。てっきり、
これがメインだと思っていたのに、ちょっと裏切られた感じ。でも、気持ち悪いのがいっぱい出てきます。
何が起きたか分からない状況が人間から冷静さを奪い、普段と違う行動へと走らせる。何が怖いって、人間の
とる行動が一番怖いと思った。スーパーマーケットの買い物客が閉じ込められてしまう状況は、まるで火を
崇め恐れていた頃の人間に戻ったかのよう。人間の心なんて簡単に壊れてしまうものだという事を思い知らされ
怖くなる。ミセス・カーモディ(マーシャ・ゲイ・ハーデン)
たちから離れ、化け物に立ち向かったデヴィッド
(トーマス・ジェーン)
たちだが、結果的に彼女たちとそんなに変わらなかった。恐怖を目の前にした時、
自分はどうするか?頭の中で考えていてもその通りにはならないだろう。浅はかな人間の行動を嘲笑っているかの
ような結末だった。
原作を読んでみたくなる作品。映画の宣伝って、難しいとつくづく思う。こういう作り方をした監督は
すばらしいと思う。
2007年 フランク・ダラボン
監督
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おすすめの一品 |
ペラーワイナリーアイスワイン3本セット |
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