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2005/2/24 |
4人の食卓 |
THE UNINVITED |
ホラーは映像が頭から離れなくなるのでなるべく見ないようにしています。が、これはもしかしたらあ
んまりヒェ〜とかキャ〜とかならないやつかな?と思いながら見ました。
特別な能力を持っているヨン(チョン・ジヒョン)。私は霊感など全く無縁なので、ヨンの苦しみを全
て理解することはむずかしいのですが、自分が他の人と違うという事は、結局日常生活の何かを諦めてし
まう事になると思うのです。ヨンの場合も人を遠ざけて生きる事で自分を守っているような気がしました
。でも時にはその能力を必要としている人もいる。日本ではそういう能力を生業としている人たちもいま
すが、韓国ではどうなんでしょう。それにしてもラストまで見終えた後、登場人物たちのその後がとても
気になりました。
思えばチョン・ジヒョンは、”猟奇的な彼女”、”僕の彼女を紹介します”の時も恋人を亡くした女性
という役柄でした。彼女は影のある役を演じる事が多いのかもしれません。喜怒哀楽の出し方が好きで、
彼女が出演していると、どうしても見たくなってしまいます。
2004年 イ・スヨン監督
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ケヴィン・スペイシー立て続けです。ハマっています。この演技、クセになります。最初はラッセル・クロウと区別がつかなかったけど、少し区別つくようになってきました(笑)
"常連の容疑者"日本語だとこうなるらしい。最初から少し気合いをいれて見ていないと、解りづらいか
もしれません。特に人名はきっちりインプットしておかないと、尋問のシーンでピンとこないかも。久々
に頭フル回転で映画を見ました。そしてフル回転させたまま終わってしまいました。「結末はそうなのか
?そうなんだね」と思いながら見ているのですが、「いやいや、それはありえない」と思わせる要素もた
くさんあり、最後の展開は小気味好く進み「えーっ!」という思いと共に鳥肌がたって終わりました。
ケヴィン・スペイシーの演技に対して、たまに「ちょっと小馬鹿にしてる」と感じていたので、あまり
好きではなかったのですが、これからは見てしまいますね。期待してしまいます。
1995年 ブライアン・シンガー監督
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非日常的な映画も好きですが、日常を切り取ったような映画も好きです。普通を映画にするって
作品の真価を問われやすいような気がします。
交通事故で両親を失った姉弟。姉サミー(ローラ・リニー)のもとへ弟テリー(マーク・ラファロー)
が帰郷する事から始まる。私も子供の時、会った事のない親戚への期待は大きかったと思う。姉の
息子ルディ(ロリー・カルキン)もそんな感じだ。特に父親を知らない男の子にとって同性に
対する気持ちは特別なものだと思う。私はこの叔父と甥の関係がとても好きです。いいかげんな
叔父さんだけど甥の方はなんとか信頼を得たいと思っていて健気だ。そして母には言い出せない事も叔父さん
には相談できたりするもの。サミーもまたテリーの存在がある事で母親以外の自分を取り戻す。
ちょっとコメディタッチのところもあってそれが深刻さを軽くしていたように思う。
テリー役のマーク・ラファロがとてもいい味を出していた。”エターナルサンシャイン”の
時とは全然違っていてびっくりです。
2000年 ケネス・ロナーガン監督
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何の予備知識もない作品が観たい。今はそんな時期かもしれない。アタリがあればハズレも
あるが、当たった時はとってもうれしい。
予知能力は潜在的に誰にでもあって、何かのきっかけで強くなる事があると聞く。脳については
まだ解明されていない事がたくさんあると思う。何せ使われていない部分の方が多いのだから…。
孤独な青年アドリアン(レオナルド・スパラグリア)が生きる意味をみつける過程とでも言うのだろうか。
アンヘラ(ナイワ・ニムリ)という女性を探し出し運命と戦う。主人公の男女がとてもかっこ良く、
映画の作りもとてもおしゃれな感じがする。特に印象に残ったシーンはゲリラのアジトに警察が
突入するところ。銃撃の音は消され女性ヴォーカルの歌が流れる。逆に言えばこのシーンだけが
他と違っていたかもしれない。ちょっとチグハグな感じもあったけど、映画ってつくづく終わり方
が大切って思いました。
こういう映画を観ると筒井康隆の”七瀬ふたたび”を思い出します。超能力者が普通の人たちと
どうやって共存していくかを考えるとやはり悲しい結末になってしまう。
2003年 マリア・リポル監督
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9.11テロ事件からもうすぐ5年経とうとしている。当時、何度もニュース映像を観たけれど自分の気持ちを納得させられなかった気がする。
これがただの善と悪を示した映画だとしたら、こんなに心をえぐられる事もなかっただろう。登場人物の中に悪人は描かれていなかった。
何故この人たちが戦わねばならないのか。ただただ、できれば全員が生存して欲しいという思いだけがあった。事件の結末を知るだけに、
一つ一つの動作にさえ特別な意味を見出してしまう。93便に乗客全員が乗り込み、ドアが閉められた時、何とも言い表せない気持ちが
湧き上がる。93便離陸後の4分後には、一機目が世界貿易センタービルに激突していた。その後の管制塔や軍のやり取りを見る限り、アメリカ本土が
攻撃されると想定できていた人はいないと思った。誰もがまさかという気持ちが強かっただろう。そんな中での93便の乗客、乗務員の決断力と行動力、
そして勇気。これを見せられた時、身体の震えが止まらなかった。全員が最後まで希望を捨てていなかった。自分の感情を抑えて観るには
5年弱という歳月は短すぎるかもしれない。でもこの便に何が起きていたのか知るべきだと思うしこの映画はその事実を冷静に伝えて
いると思う。
”ボーン・スプレマシー”もそうだったが、この監督は手持ちのカメラで撮影をして映像に臨場感を出す手法を使う。どの映画にも
言える事だが、この映画は特に体調を整えての鑑賞をオススメします。
2006年 ポール・グリーングラス監督
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”やかまし村の子どもたち”の方が先でこちらは続編という事です。また順番が逆になってしまいました。
雪国の生活って国が違ってもそんなに変わらないものなんだなと思った。吹雪の日に学校を早くあがる様子など、そういえば私も
経験したなぁと懐かしく思いました。幼い頃はそんな生活が永遠に続く気がするものですが、両親や祖父母に守られて暮らしていた
生活は、今ではとても大切な思い出となっています。やかまし村は学校での学びと家での行事のバランスがいい。家族以外の大人に
接する機会も今と比べると多かった。生活の中で自然に社会性を身に付けられる気がする。本来あるべき人間の生き方を示しているので
はないでしょうか。自然に対する畏敬の念が感じられます。そういう意味でいうと日本は、今かなり危ういのではないでしょうか。
子供の頃の積雪量は、今から思えば信じられないぐらい多かった。何せ冬の出入りは二階の窓からしていたぐらいですから。温暖化
は留まる所を知らないといった感じですね
1986年 ラッセ・ハルストレム監督
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フランス映画は苦手だと思っていた私が、今では観ないと禁断症状が現れるまでに。苦手と思い込んでいただけなのか、それとも好みが変わったのか。
やんちゃなマーティ(ジョナサン・ドマルジェ)の姿と頑固なアントワーヌ・ベラン(ミシェル・セロー)の関係を見ていると、
”おばあちゃんの家”という韓国映画を思い出す。どちらも老人と子供が互いに絆を築いていく話しだ。
ベランは病気のため発声する事ができない。そのため全編にわたり心の声が流れるのだが、顔の表情が豊かすぎるので出だしでは
心の声だとは気付かないぐらいだ。しかし、この心の声が最後までスパイスを効かせててくれ、いい味を出していると思う。
重病人を扱う病院での話しのわりに、深刻さがないのがいい。病気と闘っているのだが、フランス人の気質なのか適度に力が抜けている感じだ。
マーティは、いつも突拍子もない行動ばかりとるように見えるのだが、勇気と優しさを備えている子供だと思った。
命の大切さを教えてくれる作品です。
自殺者が増えている昨今、想像力が足りなかったり、すぐに諦めてしまったりといろいろ理由は考えられるのですが、
こういう映画に語ってもらうのもいいかもしれないと思った。
1999年 ドニ・バルディオ監督
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2006/12/22 |
夕映えの道 |
RUE DU RETRAIT |
イギリスの女性作家による作品を映画化したもの。映画は現実を忘れさせてくれる事もあるが、この映画のように時には、
現実を考えさせられる映画もある。
日本にもイザベル(マリオン・エルド)らしき人がたくさんいると思う。この映画を一言で表すとしたら「人生バランスが大事」
だろう。仕事だけを生きがいにしたのでは生きていけない。そんな事を感じた。イザベルには若い恋人がいるが、彼はイザベルに
とってのマド(ドミニク・マルカス)にはなり得なかった。マドは無条件にイザベルを頼っている。生まれたばかりの子供のように。
イザベルは頼られる事で自分の存在価値を確かめているように思えた。こんな形の愛もあるのだ。くっついたり離れたり、まるで
男女の恋愛と同じ。いや、それ以上に深い繋がりに思えた。自分では助けていると思っていても、実は助けられている事があったり
する。この映画はそんな状況ではないかと思った。まさに、あなたの笑顔が私の喜びなのですね。
時間が静かに流れていくだけなのだが、フランス映画には不思議な魔法がある。いつも観終わった後、地に足をつけて暮らそう
と改めて思います。
2001年 ルネ・フェレ監督
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2007/1/31 |
ユリョン |
PHANTOM THE SUBMARINE |
一人の俳優に出会うと自分の世界が広がっていく。そして、韓国映画が日本で公開されるのに一年ほどの時差がある。ほんと、
近くて遠い国。仏映画はもっとかかるかな…。
潜水艦は、密室の運命共同体。しかも、ユリョンの乗組員は記録上、抹消された人ばかりだというから一触即発の状態。軍隊には
副長(チェ・ミンス)のような考えを持った人間が多いと思う。映画の内容は、正直言ってハリウッドのパクリという気がする。が、
真似にしても完成度が高いとは思う。敵(日本)の潜水艦をやり過ごす場面などは、潜水艦の中で起きているもう一つの出来事と
上手く絡ませ、緊迫感ある作りになっている。ちょっと痛いけど…。イ・チャンソク(チョン・ウソン)が、副長に対して、しきりに
狂っていると言い続けるが、それがこの映画のメッセージなのかな。戦争という亡霊に憑かれている軍人が、まだたくさんいるという
事かもしれない。私にとって軍隊は遠い存在なので、飽くまで想像でしかないが…。チョン・ウソンの軍服姿を見られて良かった。
軍事に対する温度差を感じた。日本と韓国ではかなりあるように思える。あたりまえだけど、少しずつ理解し合っていく方法しか
ないのかな。
1999年 ミン・ビョンチョン監督
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スウェーデン、デンマーク、フィンランド。北欧は、とても行ってみたいと思う場所です。映画で見ても景色と街並みが美しい。
自分が主人公のダニエル(ミカエル・ニュクビスト)だったら、余生の場所として何処を選ぶだろうと考えた。自分の人生をかけた
、好きで好きでたまらない仕事ができなくなる。そんな自分は、たぶん抜け殻のようになるだろうと思う。そして、なるべく人とは
話したくないし、関わりも最小限にしておきたいと願うだろう。でも、もしそうなったとしたら、私の余生はとても無機質なものに
終わるだろうとも思う。他人との関わりを断って生きていく事を人生とは呼べないのかもしれない。この映画で語られているいくつ
かの人生は、決して幸せとは呼べないものばかり。今更ながら本当の幸せって何?と問いかけられている気がする。人を好きになる
時、なぜその人が好きだと分かるのか?映画の中でそんな問いかけがされ、最後にレナ(フリーダ・ハルグレン)とダニエルが互い
に答え合う。それが幸せ、前に進める事が幸せなのかもしれない。
音楽はすばらしい。人間の脳に未知の力を与えてくれる。だからこそ、恐れられてもきたのかもしれない。
2004年 ケイ・ポラック監督
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この作品を観るきっかけは、西川美和監督が韓国メディアの取材に対してソル・ギョングの事を語っていたのを読んだから
です。言葉の壁を越えて是非ソル・ギョングで映画を作って欲しい。
私自身、肉親関係ほど難しいものはないと思って生きているので、なんだか複雑な思いで観ました。自分の心のあり方に
よって、目で見た記憶なんて変わってしまう。重すぎて兄弟喧嘩といえるのかどうか分からないが、最初に仕掛けたのは、
稔(香川照之)だったような気がする。弟の猛(オダギリジョー)を一番理解していたのは兄の稔だったし、稔には弟に
ぶつけられないまま長年抱えてきた気持ちがあったから。自由奔放に生きてきた弟に対して、おもえはこんな人間なんだと
言い放った感じがする。それをきっかけに猛にも今まで見てこなかった事が見えてきたように思う。幼い頃のただの優しい兄
ではない別の兄の一面を知る。兄弟の感情の動きをとても丁寧に描いていて、どちらにも共感できる気がした。こんな邦画に
出会えてうれしいと思った作品でした。
香川照之、香港の俳優以上に仕事しています(笑)。制作側からの信頼が厚いのでしょうね。絶対、何作かは同時進行しない
と無理な数ですね。職人技です。
2006年 西川美和監督
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ユー・アー・マイ・サンシャイン、このカタカナ表記の方が正しいと思うのだが…。これだとYourになりそう。それにしても
チョン・ドヨンってかわいい。
農村の嫁不足は、日本も韓国も同じらしい。ソクチュン(ファン・ジョンミン)というかなりイケテナイ青年?おじさんかな?
が主役。韓国映画は三枚目的な主人公の時、演技派を主役に起用する。”オアシス”の時のソル・ギョングも最初はかなりひいたが…
こういう俳優じゃないと映画が成り立たない。今回は、ほのぼのキャラだ。ウナ(チョン・ドヨン)の事が好きでどうしようもないって
感じがよく伝わってきた。ソクチュンの母親(ナ・ムニ)がまた韓国のオモニのイメージそのもの。登場人物にあまり悪い人
がいない。ソクチュンは話しの進み方に合わせて、劇中どんどん痩せて精悍な顔つきになっていく。ウナがHIVキャリアだという
事以外には何の変哲もない話だが、少しずつソクチュンの一途さが心に染みてくる。そして、タイトル通り太陽のようなウナ。
中堅どころと思われる二人の俳優の演技が要となって光る作品だった。
オリジナルで”オッパー”という呼び掛けに対して、字幕が”兄さん”になっていた事に最後まで違和感を覚えた。何か
もっと良い表し方はないもんだろうか。
2005年 パク・チンピョ監督
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蒲田には2年間、通学していました。そんなに時間のある学生生活ではなかったので、あちこちで遊べたわけではないが、
この映画を観て懐かしく思えました。独特の雰囲気がある場所。ノスタルジーだったのかなぁ。
橘優子(寺島しのぶ)に共感を覚える人は、結構いるんじゃないかなぁなんて思います。躁鬱病の彼女。病気と上手く
つきあって生きていくのは大変そう。そんな彼女には、蒲田がよく似合う。いろんな男友達が登場するが、ダントツで
橘祥一(豊川悦司)といういとこでしょう。何がダントツかって、それは優しさです。このトヨエツはすごくいい!優しい男
の役が嵌っています。今までトヨエツに対してそんなでもなかった私は、多くの女性を惹きつける魅力はこれかぁと遅ればせ
ながら気付いたしだいです。本気の愛、本気の優しさに触れたとき、頑張ってみようとか生きてみようとか思う。そんな事を
説教くさくなく語っている。一人の女性の再生を描いた作品だが、決して力まず肩の力を抜く事を教えてくれる。とっても
いい映画。おすすめです。
寺島しのぶの演技はすごいなぁ。圧倒されました。日本にはこういう女優が少ないと思います。私の中では、韓国の
ムン・ソリと張るかもしれない。
2006年 廣木隆一監督
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2007/12/4 |
善き人のソナタ |
DAS LEBEN DER ANDEREN |
劇場で観る事ができなかったのをただただ悔やむばかりです。久々に老後のためのDVDライブラリーに加えておきたいなぁ
と思った作品です。
劇作家ドライマン(セバスチャン・コッホ)を監視するヴィースラー大尉(ウルリッヒ・ミューエ)。彼の中で何かが
変わっていく過程がダイレクトに伝わってくる感じがあります。映画を観始めて何分もしない内にヴィースラーの立場に
なっていた。ヴィースラーの毎日は、表面的には淡々と過ごしているのだが、心の中では洪水が起きているかのようです。素晴らしい芸術に
初めて触れた時の感動をヴィースラーと共に味わえる。音楽や文学は、どんな人にも等しく感動を与えてくれる。そして、
この作品はベルリンの壁崩壊前の東ドイツの監視国家体制の実態も伝えている。暗く重すぎて、とても語る気持ちには
なれない出来事だと思うが、光をみつめて生きていた人々が、そこにいた事を知りました。ヴィースラーもドライマン
も一線を越えて接触はしないものの、素敵なすれ違い方だ。こういう繋がり方もあるんだなと思いました。素晴らしい作品です。
タイプは違うものの”キッチンストーリー”という映画を思い出しました。あの映画も監視する側と監視される側の間に、
ほのかな友情が生まれる。
2006年 フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク監督
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おすすめの一品 |
ペラーワイナリーアイスワイン3本セット |
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