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2008/4/8 |
青いパパイヤの香り |
L'ODEUR DE LA PAPAYE VERTE |
ゆったりした時間の流れ方が印象的な作品です。劇中、青いパパイヤを調理するシーンが出てきます。サラダみたいなその
料理を味わってみたいと思いました。
とても静かな映画です。台詞も最小限に抑えられている。ムイ(リュ・マン・サン)という少女の10年。10歳の時に
芽生えた恋心の行方とでもいうのでしょうか。とても美しく描かれていて、崇高な気持ちになります。恋って最初は側に
いるだけでよかったりしたなぁと遠い昔を思い出しました。いつからそれ以上を望むようになったのやら…。この作品は、
自然がとても美しく、それに加えて虫の音や水音がとても効果的に使われています。音楽が少し変わった感じです。ムイが
最初に奉公する家の三男は、ムイより年下なのだが、よくムイにちょっかいを出す。その時に流れる音楽がコケティッシュ
で特に印象的でした。音楽にピッタリ嵌ります。三男の行動も子供らしくて微笑ましい。いわゆるラヴシーンはないのですが、
とてもエロチシズムを感じる作品です。
この監督の初の長編映画ということです。同じ監督の作品で”夏至”という作品を深夜のテレビで観たことがある。どちらも
女性の心をとらえる作品だと思う。
1993年 トラン・アン・ユン監督
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自分がいかに邦画に興味がないかという事を思い知りました。最近、伊坂幸太郎の小説を読む事が多いのですが、
図書館に予約を入れても相当待たなければいけないほどの大人気。この作品に関しては公開自体知りませんでした。
設定が仙台なのは、伊坂さんが大学時代から住んでいるからという事らしい。ちなみに他の作品にも仙台の設定が出てきます。
内容の事を考えると多くを語れませんが、私がこの作品から感じたのは孤独です。瑛太が演じる主人公の立場になると…。
自分だったら生きて行けるかどうか分かりません。そんな中、椎名(濱田岳)や麗子(大塚寧々)の存在が救いに思えました。
まだ、定まらない自分の人生を生きている若者の感情が全体に漂っていて、きゅんとした気持ちになります。そんな青春ドラマ
にサスペンスが上手く絡められていて、とても面白い作りになっている。登場人物それぞれが複雑な感情を抱えているのだが、
役者一人一人がよく理解して演じている感じがした。でも、どちらかというと伊坂幸太郎の作品を映画化するのはむずかしいのかも。
伊坂幸太郎の世界は、文字から想像するからこそ面白い世界だと思う。
いい作品を劇場で観るためには、常にアンテナを張り巡らし、なんといっても時間がないと叶いません。スマステの
ツキイチゴローなんかを結構参考にさせてもらっています。
2006年 中村義洋監督
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’66のマイケル・ケイン主演作品をリメイク。私の中でジュード・ロウは、いつも真摯に仕事をこなしているという
イメージです。映画を心から愛している感じが伝わってきます。
一人のプレイボーイ、アルフィー(ジュード・ロウ)が数多くの女性たちと関わりあいながら成長していく姿。女性の立場
からすると決して好感の持てる男ではない。特に親友マーロン(オマー・エップス)との件はいただけない。「絶対、報いを
受けるぞ!」と思いました。そんなどうしようもない部分に腹が立つ一方で、すべての女性と真剣につきあう部分には共感で
きたりします。自分にとっての完璧を求め一人に決められない…要するにいいとこ取りしたいって事かな。でも、完璧ほど
つまらない事もないと思うのだけど…。足りない部分こそが個性を形成していくものだと思うし。クールに振る舞って毎日
を過ごすが少しずつダメージを受け、刹那主義な人間から想像できる人間に変わっていくアルフィー。想像力を持ち得る事
こそが人間のすばらしき特徴かな。コメディだけどテーマは意外に重い。ジュード・ロウがカメラ目線で語りかける手法が
客観性を与えてくれていた。
以前から”アルフィーのテーマ”という曲は知っていましたが「この映画だったのね」と今更ながら思いました。音楽が
ヒットするとそんな事もありますよね。”バグダッド・カフェ”の”コーリング・ユー”もそうでした。
2004年 チャールズ・シャイア監督
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ラブストリーに仕上がっているという事とエドワード・ノートンがアメコミのヒーロー役?という事に興味津々で観てきました。
夏休みの映画館は、子供向け作品が満載でびっくりです。
テンポが良くて分かりやすかった。予備知識の少ない私でも、ちゃんと着いていけました。ブルース・バナー(エドワード・ノートン)
が隠れ住むブラジルの町から始まるのだが、このロケーションがすごい。崖っぷちに家が建ち並んでいて、地震が多い国の人間としては
なかなか見ない景色。その町を舐めるように下から映していく映像を観ているだけでワクワクしてしまう。ちょっと能天気すぎるかな?
ごちゃごちゃと入り組んだ町での逃走劇は、まるで”ボーン〜”シリーズみたい。演技派の役者は何をやらせてもこなせるものなのねぇ
と感心。バナーに対するブロンスキー(ティム・ロス)も申し分のない存在感。最後にスターク(ロバート・ダウニー・Jr)が突然
出てきて、しばらく理解できないでいたが、どうやら上映前の予告で観た”アイアンマン”絡みらしい。マーベル・コミックファンに
とっては、うれしい演出なのではないでしょうか。
久々に観たハリウッド作品という気がします。観たいと思う作品が少なくなったなぁと思うこの頃です。ハリウッドが変わったのか
自分の好みが変わったのか。
2008年 ルイ・レテリエ監督
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”アンタッチャブル”
のような内容だと勝手に思い込んでいたのですが、もっと淡々とした作品でした。
そういえば実録犯罪サスペンスってありました。
警官の汚職を取り上げた映画を観るたびに憂鬱な気持ちになる。最初はフランク・ルーカス(デンゼル・ワシントン)
とリッチー(ラッセル・クロウ)
の対決がメインなのかと思っていた。映画の作り方がきっちりしているので
観ているうちに怒りの矛先を向けるべき相手が誰なのか徐々に浮き上がってくる。と同時にリッチーの存在も
際立ってくる感じがする。ラッセル・クロウにぴったりの配役。自分の家庭はぐちゃぐちゃで女にはだらしない。
けど、仕事の方では司法の道を目指していたりする仕事に生きる男。女性は幸せにできないけれど、もてるタイプなのでは?
相棒を窮地から救うシーンなんか惚れちゃいますね。この泥臭い線で今後もお願いします。と言いたい。登場人物が
多いので混乱しそうでしたが、ちゃんと理解できたので良かった。しかし、麻薬の運び方が大胆ですごかった。
こういう結末になるのは、理解できる。目的が麻薬事件の解決だけでなくて良かったと思う。
シドニー・ポアチエ
に次ぐアフリカ系オスカー俳優であるデンゼル・ワシントン。ちょっと残念に思うのは
演技が生真面目すぎるところ。
2007年 リドリー・スコット
監督
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1960年の作品だけど、まったく古さを感じさせない内容。フランス映画って好きだなぁ。
他の脱獄の映画に比べると、刑務所の規則が非常に緩い感じがした。例えば囚人服がない事。フランスの監獄
事情については全然知らないが、現在もそうなのでしょうか。それはそれでフランスというお国柄を考えると
納得できなくもない。房を移ってきた新顔のガスパールの心理を追いかけつつ観る。その時々の微妙な心理状態
にハラハラドキドキさせられたし、穴の掘り方が大胆過ぎるのにも驚いた。鏡を使っての見張りも一方向しか確認
できない事にストレスを感じる。観客の心理を計算しつくした作り方が最後の最後まで緊張感を途切れさせない。
同じ房にいる最年長のヴォスランは慈悲深く、脱獄暦のあるローランは頼りがいがあり、マニュは血気盛んな感じで、
女好きのジェオは優しくという具合に登場人物の個性が明確に伝わってきた。そんな中に入ってきたガスパールは
営業の仕事をしていたというだけあって人当たりが非常にいい。看守達にも好印象だ。そういったことからも、
実は脱獄ではなく人間ドラマがテーマだという事に気付かされる。う〜ん深いなぁ。
脱獄映画といえば”アルカトラズからの脱出”
”大脱走”
”勝利への脱出”
などの作品を思い浮かべるが、
それとは全く違った観点からの作品だった。
1960年 ジャック・ベッケル
監督
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