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原作の”四枚の羽根”は読んでいませんが、もしかしたら原作の良さをあまり生かせていないのでは
無いでしょうか。名作を映像にするのは、読んでいる人の数が多いだけに勇気のいる事だとは思いますが…。
国中が戦争だぁと叫んでいる時に反対の意見を述べるのは勇気がいる。ましてハリー(ヒース・レジャー)
は士官の身。みんなにそっぽを向かれるのは、始めから承知の上だったと思う。これは自分の信念を
貫く事の大切さを説いたものだと解釈していいのだろうか。映画を鑑賞した時の自分の体調も
あるのかもしれないが、あんまり伝わってくるものがなかった。砂漠で過酷な状況にあったハリーだが、
エスネ(ケイト・ハドソン)とのラストシーンからは、とてもそんな体験をした男には見えなかった。
最初と最後は同時に撮ったかな?と勘ぐらせる。そして、信念を貫いた男ならジャック(ウェス・ベントリー)
を苦しめるような事はしないのではないかと…。残念だけど説得力がなかった。流れ作業的な
撮影現場が目に見えたような気がする。
”アメリカン・ビューティー”に出ていたウェス・ベントリーには、とても期待しています。
今回も眼力のある良い演技をしていたと思う。
2002年 シェカール・カプール監督
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2006/7/4 |
親切なクムジャさん |
SYMPATHY FOR LADY VENGEANCE |
”復讐三部作”の完結編。観る前から復讐劇と分かっているので、少し覚悟をしてからでないと
観る事ができませんでした。
イ・ヨンエの清純なイメージを逆手にとった作品。”オールドボーイ”もそうでしたが、復讐は
エネルギーを使うので自分自身もかなりの物を失う事になると思う。そして、得るものは殆どない。
ただし今回の場合は、危険な人物ぺク先生(チェ・ミンシク)がいなくなる事だけでも救いに
なった。見事に最初から最後まで復讐に満たされていた。クムジャさん(イ・ヨンエ)が躊躇
するかと思っていたのだが、そんな気持ちを持っていたら負けてしまうのかもしれない。今回は
残酷なシーンが少なめでしたが、この監督の作品からは常に破滅的なものを感じる。ただ、こういう
作品を作り上げる力量と独特な世界観はすばらしいと思う。ソン・ガンホやユ・ジテがちらっとだけ
出演しているところを見ると業界の人からの信頼も厚いのかも。
イ・ヨンエにとっては見事にイメージチェンジになったのではないだろうか。しかし、銃を撃っても
人を殺めても美しい人は美しい。
2005年 パク・チャヌク監督
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シドニー・ポラックが監督だと思いきや、ちょっと勘違いで観てしまいました。これもきっかけの一つですね。
ヘレン(グウィネス・パルトロウ)が電車に乗れた場合と乗れなかった場合の物語が並行して進んでいきます。
同時に進んでいく事で「なるほど」と納得できる所もあります。結果的にはそんなに大差ない人生に
なるのですが、個人的には電車に乗れた方を選択します。そちらの方が恋人ジェリー(ジョン・リンチ)
の嘘が早くばれるから…。辛い出来事は早めに終わらせたい私です。とても良くできたストーリー
だと思う。が、最初の方は、乗れた方と乗れなかった方の話しの繋ぎ方がバタバタした感じになっている
のが少し残念。コメディタッチに描きたかったのかな?中盤以降はスムーズに、気持ちの流れに沿った
運びになっていて良かったと思います。グウィネスのショートカットがとても似合っていた。
ジェイムズ役のジョン・ハナーは、どの作品で観たかはすぐに思い出せなかったが、役柄の
印象だけは非常に強かった。”ハムナプトラ”ですね。
1997年 ピーター・ハウイット監督
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シャーリーズ・セロンは、綺麗なだけでなく凄みのある女優だなと思う。彼女がやる役はだいたい
一本芯が通っている女性が多いような気がする。
性差別の労働問題に関しては、この世に男と女がいる限り続く問題だと思います。かといって
諦めたり、慣れたりしてはいけない。そして、必ずしも女性だけが差別される側だとも限らない。
そんな事を考えながらこの映画を観た。ジョージー(シャーリーズ・セロン)はカッコいい母親だ。
ただ、彼女の中の信念を父親に理解してもらえない時期があった事に同情する。一番理解してもらい、
助けが欲しい時だったと思う。家を買うと決めた時にジョージーの気持ちは既に男になっていた。
しかし、世間はそんな風には見てくれない。差別はそんなギャップから生まれるものかもしれない。しかし、
一人の女性従業員を相手に会社もかなり本気だ。会社側にも、いつかこの日が来るかもしれないという
思いがあったのだろう。つまり、自覚があったという事かな…。彼女を最後まで支えたのは自分の
子供へのプライドだと思いました。
実話を元にした作品で、この集団訴訟をきっかけに当時の会社幹部はほとんど入れ替わって
いるようです。事実も納得できる結果で良かった。
2005年 ニキ・カーロ監督
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2006/8/8 |
ジャッカルの日 |
THE DAY OF THE JACKAL |
こんなに暑い休日は、家の中に籠もってDVD鑑賞に限ります。原作はフレデリック・フォーサイス
という作家の同名ベストセラー小説。
出てくる車が時代の古さを感じさせるだけで、その他は全く古さを感じない内容だ。ジャッカル(エドワード・フォックス)
の手によって淡々と進んでいくドゴール暗殺計画。そう、静かに迷いなく行動するジャッカル。
こいつは、本当にやり遂げるなと思った。銃の事は詳しくないけれど、改造したライフルもあり得る
形で現実味があった。窮地に立たされても、とっさの判断で柔軟に解決していく。プロの殺し屋
の勘を働かせ、ぎりぎりで逃げ延びていく。そして、追う立場の警視ルヴェル(ミシェル・ロンズデール)
の迫力もすごい。殺し屋になれるくらい犯罪者の心をつかんでいる。対当する二人のバランスが
良かった。ドキュメントを観ているような気持ちになる作品です。
ブルース・ウィルスとリチャード・ギアの
”ジャッカル”がこの作品のリメイクだと知りびっくり。
空気が違い過ぎます。
1973年 フレッド・ジンネマン監督
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爆撃シーンをテレビで中継するようになったのは、湾岸戦争からだろうか。お正月明けの
あのニュースは忘れられない。
スオフォード(ジェイク・ギレンホール)の視線で淡々と語られていく海兵隊入隊から戦場
までの日々。これが戦争の現状だと思った。ミサイルや戦闘機による攻撃が主で狙撃兵の活躍
などあり得ない。それでもスオフォードのように祖父から代々軍人で、自分もそうなるのが
あたりまえだと思って入隊した者や、罪を犯して逃げてきた者。中には年収1000万円を蹴ってまでも
軍人が好きで入隊した者まで、軍隊には様々な人間がいる。だいたい戦争映画を観た後には
、悲壮感だけ残るのが常だが、この作品については例外だ。人間ドラマの色が濃く、泣き笑いに
なってしまう。中でもマスコミの取材に対して良い所を見せようとするサイクス三等曹長(ジェイミー・フォックス)
とそれをぶち壊そうとするスオフォード達の姿が笑える。隊が行軍中に目にする眺めは、この
映画の中で一番ショッキングな映像だった。戦争を語るのにこれ以上の物はないと思う。
他所の国の出来事として遠巻きにしてはいけない。その気持ちを自分の中で継続させていきたい。
それにしてもジェイク・ギレンホールは「いつ休んでいるの?」って言いたくなるくらい
仕事していますね。
2005年 サム・メンデス監督
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2006/8/20 |
しあわせな孤独 |
ELISKER DIG FOR EVIGT |
”ドッグヴィル”・”幸せになるためのイタリア語講座”この2作品に続くデンマーク映画3作目になります。今のところ、はずれはありません。
交通事故から始まる内容って多いのかなぁ。不意の出来事というのは、人間の思わぬ内面をさらけ出す事になるのかもしれない。セシリ(ソニア・リクター)
にしてもマリー(パプリカ・スティーン)にしても。どうしてマリーはセシリに対して誠心誠意尽くす事をしなかったのだろう。夫が
医者だからといって夫にお願いするのはどうかと思う。そこに、マリーとニルス(マッツ・ミケルセン)の夫婦関係を垣間見た気がする。
セシリとヨアヒム(ニコライ・リー・カース)の二人にしても遅かれ早かれお互いのこういう一面を見る事になったであろうと思う。
交通事故というきっかけが二人の決断を早めた。本当の愛って出会えるまでどんな物なのか分からないという事ですね。もしかしたら
出会えないまま終わってしまうのかも。時々、粒子の粗い映像が流れて、それが本人の欲望だったりする。その手法が効果的だった。
本当はみんな、悩まずに楽な生き方をしたいと思っている。
男も女も働くのがあたりまえの国は、恋愛に関しても対等のような気がしました。日本は男が女を守るイメージ。それは、いざって
いう時でいいと思うんだけど。
2002年 スザンネ・ビエール監督
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2006/8/21 |
存在の耐えられない軽さ |
THE UNBEARABLE LIGHTNESS OF BEING |
”ショコラ”のジュリエット・ビノシュとレナ・オリンの役柄が、なんとなく反対になったような感じだ。
トマシュ(ダニエル・デイ=ルイス)の行動については、一部理解できない部分があるものの、大部分については、こういう生き方が
できればいいなと思った。決して力んでいないのだが、守るべき所は譲らない姿勢。かといって戦う訳ではなく、相手をあざ笑うかの
ように、与えられた身分に甘んじて生きる。それも楽しく。チェコを出たのもテレーザ(ジュリエット・ビノシュ)のためにとった
行動だと思う。テレーザに対する気持ちが、他の女性たちに対する気持ちとどう違うのか。それが理解できないのは、私が女だから
かもしれない。ただテレーザに対する真摯な気持ちは女性として羨ましい限りです。他の女性の存在に悩まされながらもテレーザは
トマシュに守られている。テレーザはトマシュの全てを自分の物にしたかったのかもしれないが、そんなトマシュだったら惹かれる
事もなかったと思う。サビーナ(レナ・オリン)に対してもそうだが、強要しない男だ。そこが女性を虜にしてしまうのかもしれない。
テレーザのあどけなさが可愛いかった。
チェコは、歴史的にいろいろな事があった国だけどテレビ等で目にする景色はとても美しい。実際に自分の目で見て見たいものです。
1988年 フィリップ・カウフマン監督
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正直なところ、スーパーマンの弱点も知らないというのに、ケヴィン・スペイシーの悪役観たさだけで劇場鑑賞を決めました。
出だしからレックス・ルーサー(ケヴィン・スペイシー)登場です。声が渋くてかっこいい!カツラをはずす姿が笑える。思った
よりも出番が多くて、私としてはうれしかった。ワーナー・ブラザーズが10年がかりで取り組んだというだけあって、一つ一つの場面に
丁寧さが感じられ、シリーズ再会への意気込みが伝わってきました。旧シリーズ第2作目の続編である事を強くアピールした作りに
なっていた。お馴染みのテーマ曲を劇場で耳にするだけで盛り上がる。ストーリーも良かったのではないでしょうか。ただ、スーパーマン
(ブランドン・ラウス)の台詞が少なすぎるせいか、いま一つ感情移入する事ができなかった。ブランドン・ラウスの声色が良かったので
台詞が少ない方が効果的という事もあるかもしれない。顔立ちといい、内面から出てくる正義感といい、スーパーマン役は彼以外
には有り得ない感じがしました。遅ればせながら、スーパーマンって相当強かったんだという事を知った。できればレックス・ルーサー
にもう少しいろんなカツラを試して欲しかった。
”クリストファー・リーヴ夫妻に捧ぐ”という言葉がエンドロールに流れた時は、ちょっとウルっときてしまいました。
2006年 ブライアン・シンガー監督
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9.11テロが発生して5度も公開を延期したという曰くつきの作品。予想していた内容と違っていました。延期に納得です。
私にとって、ブラックコメディというジャンルは笑えない事の方が多い。洒落にならない事ばかりを取り上げている。出だしのアメフトの
シーンからそうだ。だからブラックというのだろうが…。エルウッド(ホアキン・フェニックス)とリー曹長(スコット・グレン)
両極端な二人だが、そもそも軍隊にはこの二種類の人間しかいないのではないかと思う。人を殺したい人間と上手い汁を吸って生きたいと
思う人間。この二人が悪い人間かと尋ねられれば「そうです」とも言いきれない自分がいる。そういう心を芽生えさせてしまう組織が
悪いのかもしれない。そして、いつの時代も変わらぬ組織の隠蔽体質。これは、軍隊に限った事ではないとも思うが…。集団心理とは怖いものです。
軍隊の内部告発と言っていいのでしょうか。それにしても軍隊は戦争があってもなくても不健康になってしまいそうな所です。
2001年 グレゴール・ジョーダン監督
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ジョージ・クルーニーはマット・デイモンの事をよっぽど気に入ったのだと思う。確かに”オーシャンズ11”の情けないマットは
最高だった。
もう少し心にゆとりがある時に観れば良かったと後悔しています。あるいは、原作を読んでからにすべきだったかも。それくらい
話しの筋を追うのに精一杯の状態でした。現実にザルカウイがアメリカによって殺害された事を考えると、この内容もあり得ない話
しではないと思う。結局のところアメリカ対アメリカで戦っているという事?ブライアン・ウッドマン(マット・デイモン)の動きは
完全にアメリカに敵対しているように見えるのだが…。そして、CIAのエージェントはいつも駒として動かされている気がする。
体のいい殺し屋としか思えない。とにかく次々にいろんな人が登場するのを頭の中で整理するのに一苦労。一人を片付けてもすぐに
後釜が出てくると分かっていてやっているのか、とにかくアメリカの手段を選ばないやり方には驚かされる。
ジョージ・クルーニーが本作品で助演男優賞を受賞しているようだが、じゃあ主演は誰だったんだろう。これだけたくさんの出演者
がいると主演も成り行き任せになるのかな?
2005年 スティーヴン・ギャガン監督
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2006/12/15 |
ジャケット |
THE JACKET |
予備知識なしに観る事ができた貴重な作品です。好きな作品のひとつになりそう。DVDを買おうかなと思っています。
殺伐とした物語だと思って観ていると、予想もしていなかった温かい心に触れる事ができる。そんな物語。静かで強く温かい愛に
出会える。それは、求める愛ではなくて与える愛。果たして自分の運命が分かった時、人はこんなにも純粋な心になれるものだろうか。
全体的にロマンチストな男性の立場から描かれているという印象を受けた。たぶん女性の多くは、どんな状況にいても愛する人には
傍にいて欲しいと願うのではないだろうか。ひところ流行った男の脳と女の脳の違いというところでしょうか。しかし多くの
女性が、この愛の形に憧れを抱くのではないかとも思う。ラブストーリーの部分だけではなくサスペンスの部分も楽しめる。
ジャック(エイドリアン・ブロディ)とジャッキー(キーラ・ナイトレイ)、二人ともいい人生とは云い難いのだが、諦める事
なく一生懸命生きる姿に胸が熱くなった。
ジョージ・クルーニーとスティーヴン・ソダーバーグ。いっしょに仕事をする回数が多いと思うけど、かなり気が合ってるのでしょうね。
2005年 ジョン・メイブリー監督
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秘書というと、どうしてもアダルトなイメージになってしまう。不倫とか…そんな言葉が思い浮かんでしまう。真面目に秘書の
仕事をこなしている人たちには申し訳ないのですが、イメージって怖いなぁ。
一風変わった作品ですが、明らかに純愛です。描写はかなり際どい。R15だし。でも純愛です(しつこいけど)。リー
(マギー・ギレンホール)が少しずつ変わっていく姿を見ていると、なんだかこちらも幸せな気持ちになってくる。恋する乙女と
いう感じ。まぁエドワード(ジェイムズ・スペイダー)との行為は乙女と呼ぶにはほど遠いものなのですが…。エドワードは自分の
性癖に悩みながらも止める事ができずにいる、かなり真面目な男です。なにしろ婚前交渉はしないと決めている様子で、今どき
古風な考えの持ち主。しかし、リーと出会ってエドワードの気持ちは爆発寸前です。自分を抑えるためだと思うのだが、やみくもに
身体を鍛えているところが笑える。結婚に関しては石橋を叩いて渡る慎重派とみた。二人とも恋愛に関してはかなりストイックな
感じだ。不思議としか言いようのない独特な世界です。相性ってこんなものなのかもしれませんね。この作品のもう一つの見どころ
は、背景のカラフルさ、リーのピンク色の部屋はすごかった。
マギー・ギレンホール。ジェイクのお姉さんですが、ものすごい体当たり演技という気がした。女優としては後の仕事を二分
してしまうぐらいだと思います。
2003年 スティーヴン・シャインバーグ監督
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香港映画を観るのは久しぶり。いつだったか年末にテレビで放送していた映画かなと思って観たら違っていた。でも、観て良かった。
オニオン(リッチー・レン)とオータム(セシリア・チャン)なんて名前からしてかわいすぎます。でも、このファンタジーの
世界にすっかり嵌っちゃいました。不思議に充実感を味わえる作品。オニオンのまっすぐな心に惹かれたのかな?好きな相手に
気付いてもらえない状況って切ないし、悲しい。適度にコメディとシリアスが絡み合っているのがいい。好きな彼女のためにサックス
を吹くなんて、ロマンチックです。そして、オータムがオニオンの髪を切る場面がとても気に入っています。私はどうやら髪を触る
という行為に弱いみたいです。過去には”ボーン・アイデンティティー”でマット・デイモンが髪を洗うシーンが忘れられません。
きっちりと世界を確立できているファンタジーです。リッチー・レンが心に残る演技を見せてくれます。
私のイチオシ香港映画は、マギー・チャンの”ラヴソング”です。これは忘れられない作品です。DVDが欲しいけど残念ながら
在庫がないみたい。
1999年 ジングル・マ監督
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2007/1/30 |
幸せのちから |
THE PURSUIT OF HAPPYNESS |
初めて試写会に当たりました。昨年末から小当たりしています。全シート埋まっている映画館は”パイレーツオブカリビアン”
以来かも。
典型的なサクセスストーリーですが、一つ間違えると自慢話に受け取られてしまうかもしれない。実話というと、どうしても淡々
と語る感じになりがちだが、もう少しテンポがあればなぁと思った。この親子は、結果的に幸せだったのだろうか。そんな疑問も
浮かぶ。意地悪な目で見るつもりはないが、経済的な安定こそが幸せと言いたげな描き方。何かが違う気がするのだが…。こういう
考え方が、今の競争社会を作っていると思う。息子に対する責任感と同じものを妻リンダ(タンディ・ニュートン)にも示して
欲しかった。そして、社会のスピードやルールに合わせて生きていると、知らず知らずの内に家族の中に歪が生じてしまうもの
だとも思った。この映画を観て、自分も頑張るぞと思う人はどれだけいるのだろうか。流れに乗る前に、一歩踏みとどまり考えて
みる事も大切だと思うのだが。一つ感心したのは、最悪の状況下での息子に対するクリス(ウィル・スミス)の態度。誰もが真似
できる事ではないと思った。
俳優のキャラクターが強ければ強いほど、どう演じるかが問われてくるところだと思う。キャラを消すか生かすか。本作品は
タイトルをウィル・スミスの〜とした方が良かったかも。
2006年 ガブルエレ・ムッチーノ監督
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2007/2/1 |
上海グランド |
SHANGHAI GRAND |
俳優の私生活はあまり知りたくないものだが、当時レスリー・チャンの自殺にはびっくりしました。年を重ねた彼の演技を
見られないかと思うと残念です。
香港版ボルサリーノ?盛り上がりのシーンで流れる音楽の独特な節回しがとても印象的で、しばらく耳から離れませんでした。
何度も書きますが、優れた俳優は眼力がすごい。レスリー・チャンの憂いを帯びた瞳に釘付けでした。そういう意味ではアンディ・ラウ
は、あと一歩というイメージ。とは言うものの、この作品に於ける彼の演技には申し分ありませんが…。男同士だから成り立つ友情、
友情と言うより絆と言った方がいいかもしれません。最終的には、友情を選ぶか愛を選ぶか、それとも自分に課された使命に忠実
になるのか。抗日運動をしているレスリー・チャンの同士役としてチョン・ウソンが登場。出演時間は短いが、皮肉に終わる
ラストーシーンではとても重要な役目です。少し力が入りすぎている感じにも見えたが、レスリー・チャンに負けないぐらいの
眼力でした。
実は、ボルサリーノは、相方が好きな映画。私は観たことがない。手元にビデオもあるので、今度観てみようと思います。
1996年 プーン・マッキッ監督
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日本では劇場未公開作品のようですが、やはり興行収入が見込めないという事でしょうか。心に残る作品です。
ヨンフン(キム・サンジュン)が経営するCD店のシーンから始まっていく物語は、ゆったりとした時間の流れ方で特に非日常的
な事が起こるわけでもないのだが、なんとなく見入ってしまう。まるでフランス映画のような作り。大学の同級生4人でやっている
フォークソングのコンサート。それぞれに悩みを抱えていて、それぞれに深刻だ。話の核となっているのは、ヨンフンと元ホステス
のヨンファ(パク・チニ)との間柄。全くと言っていいほど正反対に見える二人だが、だからこそお互い少しずつ惹かれていく姿が
見受けられる。その二人の距離感が自然に縮まっていく感じがいい。急がず、かといって遅すぎず。ヨンフンの父親も入れて、少し
ずつお互いの必要性を実感していく。大人の恋愛だ。ヨンファだったら、ヨンフンの学生時代の忘れられない恋も優しく包んでくれ
そうだった。そんな想像や期待の余地を持たせてくれる、すてきな作品でした。
派手ではないけど、こういう作品に上手さが出ると思います。作り過ぎていない感じが良かった。
1999年 イ・ジョングク監督
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2007/3/19 |
推手 |
PUSHING HANDS |
アン・リー監督の長編デビュー作。30代後半にして、これがデビュー作なんて凄い!
父親役はまたまたというか、これが最初か…ラン・シャンです。この男優さんは、かっこいい。”ウェディング・バンケット”
”恋人たちの食卓”本作品と3作とも違うタイプの父親役をうまく演じ分けている。3作に共通している父親像として、家族には
迎合せず、かといって家族の事を全く考えないわけでもなく、家族と程よい距離を置くかっこいい父さんだ。今回は太極拳の先生。
動作がとても美しい。そして、時折見せるため息交じりの困った表情が、チラッと弱さを覗かせる感じで心をくすぐられる。年を
重ねて丸くなるどころか、ますますのこだわりを持ちそれ故に失敗したりもする。とても愛おしい存在だ。自分に正直に生きるって
こういう事かもしれないと思った。周りから見ればその姿は滑稽に見えるのかも。推手という技そのものの生き方をしているような
気がした。そして、自分もこういう生き方ができる年のとり方ができたらいいなと思う。
このDVDにはアン・リー監督が”ブロークバック・マウンテン”の時にとったインタビューが収録されていた。監督もここに
登場する父親のようにかっこよかった。
1991年 アン・リー監督
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実力、人気を備えている俳優が問題作に出演するという事は、本人にとって賭けのような気持ちもあると思うが、どちらかというと
俳優としてチャレンジしたい気持ちの方が強いのかもしれない。
愛という感情が純粋に描かれている。誰を正当化するわけでもなく、誰かを被害者にするわけでもなく。説教臭くなっていないので
逆に説得力がある。韓国では不倫が違法だという事だが、人の感情を法で罰する事への難しさも訴えているように思えた。
ウイン(イ・ジョンジェ)の一途さにソヒョン(イ・ミスク)の心が少しずつほぐれていく様子が丁寧に描かれていて良かった。
不倫映画にありがちなドロドロした感じがなく、二人の真摯な態度のせいか、はたまた演じる俳優のスタイルの良さのせいか、
とても美しく仕上がっている。そして、全編に流れる”黒いオルフェ”も印象的で、シーンを盛り上げてくれる。登場する部屋の
インテリアや窓から見える景色、採石場?の映し方など映像美が重視されていて、どちらかというと、とても芸術的な作品という
気がした。良い方に裏切られた作品だ。
イ・ジョンジェは、いたずらっ子のような、はにかんだ表情の演技が特徴的。そういえば”イルマーレ”でもそんなシーンが
あった。
1998年 イ・ジェヨン監督
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イ・ビョンホンがこの映画の妻夫木くんを見て気に入り対談したとか…。あまり詳しい事は存じ上げませんが、確かに良い映画です。
噂話から入っていく始まり方が結構好きです。この時点で、かなり映画の世界に引き込まれている感じ。恒夫(妻夫木聡)と
ジョゼ(池脇千鶴)の距離が縮まっていく速度がいい。自然だ。美味しい料理は男を黙らすもんだね。料理は女の武器にも成りうる
という事を久々に思い出した。ジョゼのおばあ(新屋英子)は、生きている限りジョゼを守りたかったのかな。そう、壊れ物だから…。
でも、ジョゼは案外、前向きな人だ。楽天的で強い人だと思う。恒夫との生活がジョゼを強くしたと思う。どちらかといえば、ジョゼ
よりも恒夫の方の先行きが心配なくらいだ。道端で号泣する恒夫の姿が忘れられない。妻夫木聡という俳優は、アイドル系かと思って
いたがそうでもなかったという事がこの映画で分かった。そして、池脇千鶴もかなり気合の入った女優だ。若くて良い俳優に出会うと
、うれしくなる。
いい日本映画に出会えてなかったのかなぁって思った作品です。障害者の話なのに、特別な感じじゃなかった。特別じゃないって事を
言ってるのかもしれない。
2003年 犬童一心監督
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おすすめの一品 |
ペラーワイナリーアイスワイン3本セット |
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