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”いい女は2種類しかいない。すべてを知る尽くした女と何も知らない女”公開の時のコピーですが、作品を観た後に読むと
説得力があります。
しっかりした原作があるのでストーリーに文句のつけどころはありません。こういう作品は、作り手も頭を悩ますと同時に
たくさんのプレッシャーを感じる事でしょう。作り手の自己満足にならずに客観性を貫いた感じが窺えます。原作にあるエピソード
なのかは分かりませんが、メグ(スカーレット・ヨハンソン)とステラ(ヘレン・ハント)が同じドレスを身に着けるという演出は、
とてもおもしろかった。ステラの貫録勝ちという気がしたが…。若さだけでは太刀打ちできないオーラがありました。この役は
ヘレン・ハントにぴったり、はまり役だと思います。衣装、宝石から豪華クルーザーまで、なんだかアガサ・クリスティーの世界を
彷彿とさせます。殺人事件が起きないのが不思議なくらいです。映画全体の割合からすると本作品のような女性が主体になる作品は
少ないと思います。メグとステラ、二人が会話するシーンが見どころ。三回ぐらいあったと思うのですが、最後のシーンには思わず
ホロリとしてしまいました。
これも老後(笑)のためのDVDライブラリーに加えておきたい作品ですね。DVDって媒体、いつか他のものに取って代わる
のではないかという不安がよぎるこの頃です。家電メーカーの陰謀だ!
2004年 マイク・バーカー監督
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最初にこの映画を観た時は、イ・ヨンエだけしか記憶に残らなかった。イ・ジョンジェは、あまりに役になりきり過ぎていて
コメディアンとしてしか見てなかった。上手い俳優です。
夫婦になる事が運命かのようなヨンギ(イ・ジョンジェ)とジョンヨン(イ・ヨンエ)。なのに、二人の身の上に降りかかる
出来事は試練ばかり。すべての始まりは親の許しを得られなかったからなのかと思ってしまう私です。40才を超えると、そういう
事もあるかもしれないと考えたりする。お互いを思う気持ちが強ければ強いほど空回りする、夫婦ってこんなものなのかも。
「あの人、私がいないとだめなの」という言葉をジョンヨンに言わせてしまうヨンギを見ていると、男ってしょうがないなぁと
思ってしまう。お互いに足りないところを補っているだけなのだが、それが男としてのプライドを傷つける時もあると思う。そんな
夫婦のバランスの変化の描き方がうまい。最後の方ではヨンギがとても頼もしく見えてくる。こういう内容は重くなりがちだが、
詐欺師二人の存在があたたかくしてくれた。特にクォン・ヘヒョ。毎度いい味を出してくれます。
イ・ジョンジェは、毎回見せ場を作ってくれます。今回はパントマイム。押しつけがましくなく、自然な演技で話の流れを
遮らない。努力家ですね。
2001年 オ・ギファン監督
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2007/6/22 |
理想の結婚 |
AN IDEAL HUSBAND |
誰も教えてはくれないけれど知っておくべき事。そんな事を説教くさくなく、コメディでさらりと伝授してくれます。
結婚生活を少し皮肉った感じだけど、心温まる教訓と受け取りました。ロバート(ジェレミー・ノーサム)とガートルード
(ケイト・ブランシェット)、二人の結婚生活の一つめのハードルというところかな。理想の相手と結婚するという事は、結婚
してから一つずつ理想を崩されていく事。それでも変わらず相手を受け入れられるか。結婚生活でそんな状況に何度出くわすか
は分かりませんが、その度に岐路に立たされる事になるのだと思う。一見、退屈になりがちなテーマだが、いろんな事が
めまぐるしく起きてテンポよく観る事ができた。アーサー(ルパート・エヴェレット)の存在なくして、この物語は成り立たない
だろう。彼こそ理想の夫という事だが…。アーサーが愛について語る言葉が印象的で心に響きました。ジュリアン・ムーアの
嫌みな役、それと対照的に聡明でかわいらしい妻役のケイト・ブランシェット。良い役者が揃っていて、とても小粋な感じの
仕上がりになっていたと思う。
面白みのなさそうな内容でも、演出と俳優によってここまでにすることができるんだなぁと思った。素晴らしい!
1999年 オリヴァー・パーカー監督
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韓流シネマフェスティバル2007行って参りました。会場内はほとんどが女性客で熱気ムンムンでございました。この映画に
ついては、もしかしたら劇場で観る事ができないかもと諦めていたのですが…。
事前にインターネットでメイキングを見過ぎてしまい後悔しています。そのせいか、なんだか客観的になりきれず、出来上がりを
確かめる制作者の様な気持ちで観てしまいました。新しいチャレンジがたくさん含まれている作品という事もあり、ストーリーの
重要性はあまり感じられなかった。それが少し残念だったけど、こういう作品はしょうがないと思っています。イグァク(チョン・ウソン)
とソファ(キム・テヒ)、現世で想いを叶えられなかった二人が中天という場所で出会う。美しい主人公二人に幻想的な風景。
そして、新しい技術を駆使したアクションシーン。ただし、アクションについては動作の繋がりが分かりにくいところが、あと
一歩というところでしたが…。映像美を追求した作品といえるでしょう。恋愛映画にしては、主役二人の年の差を感じてしまい
ましたが、ファンであれば全て受け入れられます(笑)。
毎回、思うことですがチョン・ウソンは、手が綺麗です。手が出てくると手に見とれてしまいます。手フェチ?同じ時代物
としては以前、ウソンが演じた”MUSA武士”のヨソルの方が良かった。
2006年 チョ・ドンオ監督
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カメレオン俳優といわれているソル・ギョングが、日本語の台詞をどうこうなすのかとても興味があり
ました。彼の役者魂を見せられた気がします。
韓国と日本。考えてみれば、この二つの国の合作としてこれほど相応しい内容の作品はないと思います。
ソル・ギョングがいなかったらこの映画は、これほど完成度の高いものにはならなかったと思う。力道山世代
の人たちには、もしかしたらショッキングな内容なのかもしれない。戦後の日本人のヒーローとして
讃えられた男の真実の姿。この映画で観る限り、いつも崖っぷちにいるような生き方だった。プロレスの
試合で勝てば勝つほど、人格者としても求められた力道山(ソル・ギョング)。今いる場所から落ちたく
ないという一心で、妻の綾(中谷美紀)でさえ届かない孤独な場所に自分を置いていたように思える。
この映画の見どころは、ソル・ギョングの迫力ある日本語と、とてもエキサイトできる試合のシーンでは
ないかと思う。たった半年の準備期間で、ここまでの役作りをこなしたソル・ギョングに拍手を送りたい。
ソル・ギョングという俳優は、とても愛嬌のある人ではないかと思った。どんな役を演じていてもそんな
彼の本質が見え隠れする気がした。そこが人を惹きつける部分なのかも…。
2004年 ソン・ヘソン監督
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見応えのある映画でした。アン・リー監督の作品は紡ぐように丁寧に創られているところが好きです。監督自身の性格が
表れているような気がするのですが…。
女スパイを演じたタン・ウェイ。無名の新人にしては迫力があり過ぎる。とても複雑な心理の変化を見事に表現できていると
思うし、凛とした美しさがこの役柄にぴったりだ。女子学生のワン・チアチー(タン・ウェイ)は、4年の歳月を経て女へと
変化していく。クァン・ユイミン(ワン・リーホン)への恋心から始まった抗日運動。彼女の中に変化が起きたのは、いつ
だったのだろうか。立場の違いはあるものの、イー(トニー・レオン)とワン・チアチーは、とても似ている。お互いが
認め合う二人の関係は理想的にさえ思える。劇中のワン・チアチーの歌声は、誰も信じられなくなったイーならずとも
聴いていて心が熱くなります。過激な性愛描写が物議を醸したという事ですが、そのシーンなくしては常に張りつめている
イーの心理状態が伝わってこなかったと思います。しょうがないんだけど、ぼかしは逆にいやらしさを強調してしまい、
せっかくのいい作品が台無しに思えました。チャイニーズドレスの着こなし方が美しく、そこも見どころの一つだと思います。
この頃、トニーが演じている役を亡きレスリーが演じたらどうなるかなぁと考えたりする。似ている部分、重なる部分が
あるんだなぁ。次回公開作”レッド・クリフ”も楽しみです。
2007年 アン・リー監督
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壮大なスケールの作品ばかり続いている監督ですが、私としては”至福のとき”のような作品も観たい…。あまりに
スケールが大きいと、人間の心がぼやける気がする。
中国の広大で美しい景色。これが一番のみどころだと思う。それにまたピッタリ嵌るワダエミの衣装。ロマンスは、
ありきたりな感じで、アクションは…重力に反した動き以外は良かった。どうしても”HERO”と比較せずにはいられません。
同じ監督の作品だから二番煎じに思えてしまう。「こういう作品しか創っていはいけない」という指示でも受けているんだろうか。
本作のチャン・ツィイーは、おいしい役どころですね。シャオメイ(チャン・ツィイー)が戦うシーンは、まるで座頭市
のよう。彼女はやはりアクション女優だなと思いました。プロモーションに来た時の様子からだと、女の色香を出すには、
本人の性格が可愛らしすぎる気がする。ジン(金城武)とのラブシーンもあと一歩という感じで、観てる方が照れてしまう
レベルです。金城武は、意外に時代劇が合っていました。日本の侍の役もできるんじゃないかなぁと思いました。梅林茂の
音楽も良かった。劇中歌の歌詞がとても哀しく響いた。
金城武が三日の内に好きになる恋愛が理解できなかったとインタビューで言っていましたが、なんとなく納得です。
大勢で一つのものを創り上げるって大変な事なんだなぁと改めて思いました。
2004年 チャン・イーモウ監督
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NHK人形劇
でしか三国志
を知らない私ですが、多くのファンがいるのでしょう。いつも「ここは穴場だな」と思っていたシネコンも
結構な割合で席が埋まっていた。
字幕作品を選んだ筈なのに日本語のナレーションから始まって、一瞬焦りましたが…エイベックスのはからい?パート1となっているように、
赤壁の戦いに至る直前。劉備軍、孔明(金城武)
が孫権軍、周瑜(トニー・レオン)
の元へ出向いて同盟を持ちかけ、曹操軍と戦い始める
ところまで。見どころは、やはり伝説的に語り継がれているという戦術が繰り広げられる場面でしょう。意外に現実的で説得力があり、
特別出演となっていた中村獅童の見せ場も素晴らしく、存在感があった。個人的には趙雲役のフー・ジュン
に助演賞をあげたい。ジョン・ウー
が好き?な血ドバーも少し抑えられていた気がする。処世術が盛り込まれている作品だからこそ三国志の人気は衰えず、老若男女に親しまれて
いるのだろう。そんな作品をこんな大きなスケールで見せてくれた監督の決断に拍手。岩代太郎
の音楽も効果的でした。私の岩代さんの
イメージは、NHK朝ドラ”あぐり”
なのですが、実にいろんな仕事を手掛けていらっしゃる方だと知り驚きました。パート2が待ち遠しい
です。
キャスティングに数多くの俳優名があがり、撮影が始まると思ったらチョウ・ユンファ
降板。トニーの北京語は、本人自らの申し出で
吹き替えられていましたが、そういうのが嫌だと思う俳優もいて当然ですよね。
2008年 ジョン・ウー
監督
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おすすめの一品 |
ペラーワイナリーアイスワイン3本セット |
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